6月13日(土) アジサイの始めとバラの終わりに

東京も梅雨が始まりましたね。
俺は北海道で育ちましたので、梅雨を初めて経験したのは、2004年の事。
札幌から川崎の稲田堤に引っ越した年の事でした。

その年の梅雨は例年に比べてもかなり酷い蒸し暑さだったようです。
しかも、北海道ではエアコンなんて使った事が無かったので、とてつもなく電気代がかかるものだと勝手に思い込んでいて、最初の年は一度もエアコンを使いませんでした。
ので、梅雨が始まったとたんに「あれ?これは本当に無理じゃないか?」と一気に嫌になってしまい、酷いホームシックにかかり、北海道に帰りたい、とばかり思うようになり、酔いでごまかすしか無いな、と四六時中ビールばかり飲んでいました。

もともと何のアテもなく、ただ札幌に居づらいような気分になっていたから、逃げるように歌う拠点を東京に変えただけでしたので、梅雨の暑さとライブハウス達の冷遇(大絶賛以外は冷遇と捉えてしまう損な性格)に嫌気がさし、本当に毎日、帰りたい、と暗い気持ちで暮らしていました。

レテパのレパートリーには入っていませんが「二度目の夏の前に」という歌があります。
文字通り、引っ越しニ年目の夏の前に出来た歌ですが、その歌詞は、

千歳行きの切符を取り 荷物をまとめれば
全ては済むはずなのに 二度目の夏に入る

風が吹けば気付くような まとわりつく季節
僕は君の歌を聞き 酔っぱらったまま過ごす

というようなものでした。

故郷の空知では、いつも風の中にいるから、風が吹いても気付かない。
でも暑い東京では、ちょっとの風が吹いても、気付いてしまう。
そんな、ホームシックで悲しい歌ですが、レテパの「北」もこの時期の歌です。
(でも、ホームシックは高校卒業後に空知の岩見沢から札幌で一人暮らしを始めた時にも起こっていて、その時は「空知」という歌が出来ました。)

初めての梅雨からもう17回目の梅雨入りです。
今はもうこちらの季節にも愛おしさを感じれるようになりまして、今日は昼間、ギターの高野京介がいきなりやって来たので、カブで二ケツして、高井戸の温泉に行きました。
露天風呂から梅雨空を眺めながら、昔の事を思い出そうとしましたが、なんだかうまく思い出せず。
月末から再開する6thアルバムの為のレテパのスタジオの事とか、近未来の事ばかり頭に思い浮かぶのでした。
最近は、ファースト聞いてファースト聞いて、とばかり騒いでいますが、残りの二作も負けないくらいの名盤になるように、がんばんなきゃな、と思っています。
ここ数年は「アルバム6枚作るまでは〇〇ない。」(〇〇にはその都度色んな言葉が入っていましたが、、)を口癖に生きてきました。
やっとここまで来て、ほんとあともうちょっとなんだから。
絶対にしくじらない。

PS.「アジサイの始めとバラの終わりに」という歌詞が出てくるのは「君の思い出」という歌です。

梅雨の始めの日に 薄曇りの日に
アジサイの始めと バラの終わりに

この歌が出来た2011年頃からは、ホームシック気分も無くなっていった気がします。