4月28日(木) ハダユキコの最後

というわけで、ハダユキコ無事に脱退する事が出来ました。
前に「ハダユキコへ」というレテパNEWSで彼女との思い出は山程振り返ったので、今日は多くは書きません。

まあ、この映像13:40〜の必死でポップなユキコの本気の嫌がりっぷりが、レテパシーズとハダユキコの明るさ全てを表しているのではないでしょうか?
最後はこの心温まるおもしろ映像を見て笑ってさよならしてあげてね。

なかなかの問題児でしたが皆さん今までありがとう。
ユキちゃんも8年間ありがとう。
俺達はまだまだまだまだ、ざまあみろ(Let`s go)してみるね。

4月21日(木) 8thアルバム録音風景

僕のレテパシーズ8thアルバム「エンデンジャードスピーシーズ」録音スタートしました。
考えてみれば今作は過去作よりも状況が恵まれ過ぎています。

●前作7thとメンバーが同じ
●そのメンバーで何回もライブをした
●収録曲をライブで演奏した
●録音環境が前作と全く一緒
●全曲新曲(2020年冬〜2021年初夏くらいの作曲)
●心身ともに好調

これらの好条件(普通のバンドなら普通の事なんでしょうが)により好調過ぎて、初日で全10曲録り終わってしまいました。

まあ、これはよく普段も勘違いされるのですが、録音が1日で終わったのはそれまでに滅茶苦茶準備しまくっていたからだし、歌が出来る時に5分で出来るのもその他の全ての時間が歌につながっているからなだけであって、全時間使っていると考えれば1年に10曲発表するのに大変な時間がかかっているわけです。
普段ほとんど、起きて、テレビ見て、本読んで、昼寝して、晩御飯の材料を買いに行って、食べて、テレビ見て、本読んで、寝る、の繰り返しなのですが、身内からそれを非難される事があるのでこの場を借りて弁明させて頂きます。
(たまーに、これが「起きて、歌出来て、テレビ見て、本読んで、昼寝して、晩御飯の材料を買いに行って、食べて、テレビ見て、本読んで、寝る」に変わります。最近はなぜか歌は起きた瞬間に出来ます)

録音2日目はやる事が無くなってしまいましたが、アナログテープレコーディングのテープが30分テープで、今作が18分くらいだったので、残った12分のテープ使って、テイク2の歌を録ってみたりしました。(録れるテープ残り時間決まっている→ハンターハンタークラピカの「制約と誓約」作戦です。無限ぶっている今の時代にピッタリですよ)
前までなら「テイク2なんていらない。俺達の人生はいつだってテイク1だった!そうだろ?」「うん。そうだそうだ!」とかなんとか屁理屈をこいてテイク2なんてやらなかったのですが、今回は「さよならさよならB.B.Bの演奏、サイコーなんだけどサイコー過ぎるために演奏が高らかに羽ばたいてるから、アレンジしたての頃の羽ばたくのが怖いが勇気出して羽ばたいてみた!みたいなかっちりしたバージョンも録ってみようか」なんて、ミュージシャンしちゃっていました。

今度の日曜日もおさえているので、吉祥寺GOKでなんやかんや作業しますが、もう山場は越えたので、言いつけ通り吉祥寺の方角を向いて祈ってくれていたピュアな皆様、もう祈らずに足向けて寝ても大丈夫ですよ。

肝心の演奏本番シーンは撮影NGなので(今の世代と違いカメラ向けられるといちいち心が動いてしまう為)ありませんが、名作、問題作、誕生の様子をご覧下さいね。

吉祥寺GOK。
2nd 「愛してるよ」7th「クレイなジー」もGOKでした。
(2ndの時は第一次ベロンベロン期だからほとんど記憶がありません。が、最後の「夏のしっぽ」を録る前に珍しくアディーが酒を飲みながら叩いていたのだけ覚えています。他の9曲が終わって開放感に包まれていたんだと思います)

馬場友美。
昔、馬場ちゃんの企画するライブに出たバンドは有名になるというジンクスがあったみたいだが、俺らだけまだ無名だ。
ので馬場ちゃんに会うと毎回「まだ馬場ちゃんの友人の中で一番無名なバンドだよー。でも今作はいけるはず!期待してて!」という会話が繰り広げられます。

今作は「僕ら」「エンデンジャードスピーシーズ」の2曲でアコギを弾きました。
レテパヘッズ用にマニアックな事を書くと「7月12日、13日」の葬式の後に「MOON PALACE」の店主だったホンダ(「愛は風景」の2番の歌詞は彼女のメールの文を引用してます)から貰ったアコギです。
カニユウヤのギターは7thの時と色とメーカーが変わっていますが、形は同じ。

2台持ち。エピフォンとヤマハ。
ちなみに前作7thでは、、、
エピフォン→「クレイなジー」「あのこは人間を描くのが苦手」「So.Ka.Be」「エレキギター」
ヤマハ→「青春」「としまえんど」「コロナの頃なら」「パンクな名古屋娘」「才能がなかったんだろ」「天国から来た男」
だったそうです。
マニアックな人は8thのどの歌がどっちか当ててみて下さいね。

バンマスの関口萌。
口数は少ないが的確な男。
科学者の魔法と芸術家の魔法を差別しないで感じてくれるから、真の的確。まさにバンマス。
俺は偏りすぎてるし、セッカチなので副バンマス。

引退間近のベテランは余裕の表情。

チェック中。
そう言えば前作までは録音中にヘッドホンが吹っ飛ばないようにクツ紐で頭に固定していたが、今作は固定してないな。
極度の心配症が治って来たんだな。いいぞ。

終わったー!(左の人は張り切り過ぎて原チャで来る時にスピード違反で捕まりました。でも警察のおかげで落ち着けたのか、スピード感だけじゃなく、どっしりした部分も大切にした名盤になった気がします。スペシャルサンクス警察)

終わったー!(リズム隊は2人でもスタジオに入ったりして、どんどんどんどんカッコよくなっていきます。萌ちゃんはアラジン(息子)誕生で大変な時期なのにがんばりました。ヤハタトシキは「Mr.伸びしろ」なので、ひたすらまっすぐ伸びて行きます。前方の光に向かって)

終わったー!
あまりにも良い写真だからジャケにしようかな、とジャケ用に四角にして見せたがユキコに反対された。
(ヤックンがポーグスの4thジャケみたいでカッコいいのにね)

というわけで絶好調の録音となりました。

以前「僕のレテパシーズ全アルバムジャケTシャツセット」を販売する際に「売上金は私利私欲に一切使わず、全て8thアルバムの制作費に充てさせて頂きます」と書きました。
高いのに買ってくれた皆さん。
おかげさまで、金の心配をせずにただただレテパシー放出が出来ました。
アルバムを聞いて名盤だと思ったら「自分はこの名盤を作るのに一役買ったんだぞ」と自慢して下さいね。

高くて買えなかったけどレテパヘッズな皆さんも、いつも本当にありがとう。
人類が自分一人でも多分レテパシーは使えるが、それをアルバムや歌という形にしようとは思わないと思うので。
皆さんも「自分は貧乏だけど、この名盤を作るのに実は一役買ったんだぜ」と大いに自慢して下さいね。

では日曜日になんやかんや作業して、ハダユキコは引退です。
ほんと集大成な素晴らしい演奏でした。
おつかれさま。

PS.3/21映像「大丈夫このまま」ご覧になりました?


 
8thアルバムの9曲目です。
(2020年のクリスマスにGoToトラベルで沖縄に行った時の歌。まあ歌詞の通りですね。金槐和歌集な源実朝タイプなので、全部歌詞のそのまんまです)

2022.3.21 新宿Marble
撮影/二宮ユーキ
録音/五月リョータ
ミックス/馬場友美
映像編集/toru

PS.歌詞も載せときますね。
ちなみに、歌詞を書く時に迷ったり悩んだりしないタイプなのですが(迷ったり悩んだりタイプで素晴らしい人もたくさんいる。あくまでタイプの問題)今回だけはちょっと迷った。
金武町のタコス屋はキングタコスというお店だったので「コロナで金武のタコスは」にするか「コロナでキングタコスは」にするかで迷いました。両方聞こえてきたので。
凄い大盛りのタコライスだったので、昼ご飯では食べ切れずに、クリスマスのディナーにも申し訳なさそうにぐちゃぐちゃの見栄えで登場してきたのが面白かったです。

ブランキーのラストアルバム「Herlem Jets」を、なぜか沖縄でオープンカーで爆音で聞きたくなって行ってみたら、沖縄でレコーディングしていたアルバムだと運転中に知らされて、ビックリ合点がいったのでした。
俺もそうでしたがブランキーは食わず嫌いの人も多いでしょう。
ブランキーもたまもブルーハーツも心の底から大好き!という人は案外少ないのです。
ブランキーは「ワイルドウインター」という本をまず読んでから「Bang!」か「Herlem Jets」のどちらかを聞いてみて、それでも嫌いなら嫌いなまま生きていけば良いと思います。

「大丈夫このまま」

レンタカーでビートル借りてオープンカーでブランキーを
聞くため クリスマスの沖縄に来た

GoToトラベルでタダになったこの車
あいづち打つように爆音で

大丈夫このまま 大丈夫このまま
緑と青が重なった 懐かしい気分

コロナで金武のタコスはテイクアウトオンリーで
食べ切れないまま クリスマスの夜まで

GoToトラベルで安くなった高級ホテル
チキンやケーキとタコライス

大丈夫このまま 大丈夫このまま
緑と青は暗闇に 懐かしい全て

4月13日(水) 本番は来週

来週はいよいよ録音本番です。
バンドによっては重ねて録ったり、じっくり時間をかけて録ったり、と色んなタイプがいるので、俺らのように「来週は録音だ。もう死にそう。」みたいな極端な気持ちにはならないバンドもいると思います。
今のレテパシーズはいっせーのーせで全員一緒に録るタイプなので、小学校の時のブラスバンド部の全道大会直前のような緊張感と高ぶりがあります。

いっせーのせ、で一緒に録るのがカッコいいと思っているわけでは全くありません。
ただ、レテパシーズの歌は曲中の速度の微妙な変化が大切なので、クリックを聞きながらのドラムでは表現出来ないから、なだけです。
これは多分ブラスバンド部の田中先生の影響です。
(RCの「ぼくの好きな先生」同様に、教師になんてなりたくなかった、音楽家、絵描き、文筆家、になりたかったし、まだなれると思っています、子供達と同じく自分も勉強中。みたいな先生に小中校で幸運な事に何人か出会えました。そういう先生は魅力的でした)

自分の体感としては、17才(2000年)〜27才は「フォークシンガー」で、レテパを始めた28才〜33才までは「バンドではうまく歌えない悩める元フォークシンガー」で、34才〜37才は「メンバーに感化された遅咲きロックンローラー」で、38才〜は「バンドマン兼音楽家」といったところです。
ので、8thは音楽家的目線からも絶賛されたいなあ、なんて思っています。
今作はなかなか最先端な気がしています。

では来週、月火日(日は多分やる事無くて録音終了&さよならハダユキコ打ち上げになっているはず!多分!)は吉祥寺の方角には足向けて寝ないように。
がんばりまーす!

PS.ひろしマンガ第22話「理由なき反抗」
(過去作はこちら)

先代の高野君なんかは、ギターは1人で録りたいタイプでした。
ので、ギター含め全員で録ったやつ(その時のギターは仮で、後で消せるように音はかぶらないようにする)に後でギターだけ1人で録っていました。
「全員で録ったやつ」というところはポイントで、この方法だとバンドのいつもの速度感、高揚感、を出しつつ、後で録りたいタイプの人も本領を発揮できる、というわけです。
録音は魔法に似ている部分があるので、魔法の呪文や儀式にあたる「録音方法」や「制作過程」の部分は絶対にその人その人のやり方を尊重するようにしています。(合理的じゃなかったり、非科学的なロマンチックなやり方も時には絶対に必要だと思います)

マンガにもありますが、俺は元々せっかちソングライタータイプなので「夜に名前を」や「見知らぬ青年との会話」なんかに特に現れていますが、余計な前奏間奏後奏は省くタイプでした。
なんか最近はサブスクの影響で世の中もそういう風潮になって来たらしいですね。
元祖ムダ省きバンドの本領を発揮して8thアルバムは10曲で20分切る予定です。
ですが、もちろん必要な間奏は大切にしています。
6曲目「雪解け」の間奏なんかを聞くと納得してもらえると思います。

では、完成をお楽しみに。
俺も楽しみです。
(「来週は録音だ。もう死にそう。」とさっき書いたけど、今回は楽しみで死にそうな感じなんです。いいでしょ!)