4月4日(木) 日記風、3月編

3/⚪︎
息子とテレビ。
膝の上にはサンタナ。(元ノラ猫。2年前から家に入ってくるようになった。名前の由来はヤクルトスワローズの外国人選手ドミンゴ・サンタナより)
放送していたのはアメリカの歴史のドキュメンタリーだったが、いきなり息子が拍手のような動きをしたので、驚く。
その時画面では、同性のカップルに対し大勢の人が祝福の拍手をしている60年代?の白黒映像が流れていた。
やるなあ、息子。
が、ただの偶然かもしれないぞ、と思い、俺も拍手をしてみたら、やはり真似して拍手をした。
初拍手が白黒映像の恋人達に対してだなんて、なかなか渋いじゃないか。
と思っていたのも束の間、数分後、トランプ支持者達がUSA!USA!と拍手している時にも拍手しちゃった。

3/⚪︎
朝起きると、晴れているが少し積雪。
「日記風、2月編」にも書いたけど、故郷と雪の感じが全然違うので降る雪に対して懐かしい感じは全然しない。
でも、この雪が溶ける感じ、流れる水の音、反射する光、は懐かしさ満載。
東京の、降る雪には懐かしさを感じず、溶ける雪には懐かしさを感じる。
他の北国出身者も同じなのだろうか?
でもまあ、解けるではなく、溶けるだよなあ。
この雪解けの「解ける」という漢字はさすがに「長い間動かずに止まっていた冬の時間がようやく解ける」という「魔法が解ける」に近い感覚なので、東京の雪には「溶ける」で十分。
そんな事を思いながら、息子を抱き窓の外を見ていると、歌が出来そうな感じがした。
が、口をついて出たのは1月に出来た「春の花」という歌。
うん、もう歌ってたわ。この感じ。

今日は10thアルバムミックスの2回目。
藤沢から来るというエンジニアの馬場ちゃんに「雪大丈夫?」と連絡すると「もう少し溶けてから行こうかな。」との事。
なので、のんびりと15時頃にロサンゼルスクラブ(徒歩5分)へ向かう。
作業は絶好調で進んだが、スタート時間が遅かったので全部終わったのは深夜1時。
俺は断酒してからは完全なる朝型人間。
毎晩22時には子供のように激しく眠くなる。(断酒初期はマニュアル通りに不眠になり服薬していたが)
なので「今日は久し振りに日付変わるまで起きていたなあ。えらいぞ。がんばった!みんなお疲れさま!」なんて思っていたのだが、カニ君が「じゃあ、最後に全部通して爆音で聞きましょう!」なんて言いだした。
大名盤完成だ!という喜びに満ちた彼の純粋提案を断る事など誰にも出来るはずがなく「いいね!聞こうぜ!爆音で!サイコー!」とみんな眠い目をこすりながら賛同。
深夜1時、10曲全部夏の歌の「夏のアルバム」により、日本中、いや多分世界中で俺達が1番夏だったと思う。(ギラギラした夏では無く、いつも終わりかけてた短い夏の事ですけどね)
聞き終わるとヤハタ君はとても感動したらしく、キラキラした目で「うん。うん。いいね。素晴らしいよ。」と言っていた。
俺は「今更だけど、6曲目「まだもう」と7曲目「そばにいる」逆の方が大きな場所へ到達出来る気がする。変えません?曲順。」とみんなの感動に水を差した。
結局この提案は通り、僕のレテパシーズ10thアルバム「夏のアルバム」は完成した。(まだマスタリングが残ってるけどね)

馬場ちゃんにギャラを支払う時に俺はボケていて、昨年末の作業分のギャラもまとめて今日払う事を忘れていた。
つーか、もう払ったと勘違いしていた。
「ボケててすまん、、」と言いつつ馬場ちゃんにまとめて支払ったが、これで完全に妻に支払うべき借金を返すアテが消えた。(しかもそもそも全額では無く分割にしてくれると言ってくれているのに、分割分すら無い)
でも最高傑作が出来たんだよ。それでいいじゃないか。と以前なら思えたのだが、先月からのゴタゴタで弱っているので、とてもそうは思えなかった。
「最高傑作を作ったのにトボトボ帰る人ランキング」があったのなら歴史上第1位だったと思う。
この日の俺の帰り道は。

3/⚪︎
今日は「第3回レテパシーロックフェスティバル」。
前々回のレテパNEWSの「親愛なるT.V. NOT JANUARYについて」という文章でTVについては愛情たっぷりたくさん書いたので、ここでは長くは書きません。
つまりこの日もあの頃と同じような印象を、もちろん良い意味で持ったのでした。
なので、前の文章で全て書いた気がしています。

でも、せっかくだから一つだけ書くと、あの頃は俺も酔っ払っていて少し見落としていたかも知れないが、改めてTVの3人は本当に滅茶苦茶ピュアだなあ、と思った。
不器用なままなんだよね。ちゃんと色々うまくいっていない。
体の表面は大人になっているのにね。
中身、まだまだちゃんと青いんだよな。
本人達は長所と思っていないと思うけど。(きっと短所だと思っている。そこがまた良い。)

ライブ後に本島君がかなり大きな声で「レテパシーズは本当にロックしてる。俺達はまだまだ出来ていない。」とあまりにもハッキリと断言したのが面白かった。
隣で池ちゃんが「そこまで断言する!?」という顔をしていたのも面白かった。
横田川君は静岡で養蜂をしているので、終電があって途中で帰ったが、ライブ前に「さっきまで海の見える山の中で蜂と戯れていたのに、いきなりの新宿は真逆ですごいなあ。」と言っていたので「でも、ここまでくると大自然にも見えてくるよね。歌舞伎町。」と言ったら笑っていた。

今回のレテパフェスはボケーっとしていたら1ヶ月前になってしまい、告知のスタートもかなり遅くなってしまった。
予約も最初すごく少なくて、しかも色々弱っていた時期だったので「こんななら今回で終わりにしようかな。レテパフェス。」なんて思った夜もありました。
でも、始まってみたらそんな気持ちは吹っ飛んだ。
目撃してくれたあなた。本当にありがとう。
今回は特に弱っていたので、すごく励まされました。
レテパシーズのライブでは、他のバンドと違いお客さんの顔がよく見えるように、特別に俺らの後ろからも客席を照らしてもらっています。
レテパシーズを見ている時のお客さんの顔が好きだから。
リハでも入念に、客席の顔が見えるかチェックしています。(つーかレテパのライブでは照明は一切ライブ中に変えないので、照明さんの仕事はこれだけですね、、)
今回も素敵な顔がたくさん見えました。ありがとう。

第4回もやります。
次からはもう少しフェスっぽくしてみようかな。
お楽しみに。

あと、一つだけ書くと、レテパのライブがもう一つ先の部屋に行けた気がした。
何もかもがレテパシーになっていく。
これで良いのだと思う。
あの頃望んでいた通りなんだな。

3/⚪︎
レテパフェスの翌日。カブでソノダさんと温泉へ。
定番だった「稲城温泉 季の彩」がリニューアルで長期休業しているので、最近は「おふろの王様 和光店」一択。
この施設には「かまくらうんじ」という別料金の休憩所があるのだが、かまくら風の部屋?がたくさん並んでいて、その中で寝たり漫画を読んだり出来る。
でも、最近は「カップルがイチャイチャするのにピッタリ!」みたいな裏情報が流れているのでは?と疑ってしまう程、たくさんのカップルがかまくらを占領している。
俺の隣のかまくらでは20才くらいのカップルがおっ始めようとしていたが、最後の最後で彼女が「ダメ。ダメだよ。」と拒否したので彼は明らかにヘソを曲げてしまった。
「この女ギリギリまであんな甘えた声を出していたくせに!かわいそうに。分かるぜダンナ。」なんて思いながら、先月のハンターハンターの続きをやはり父親目線で読んだ。
今日も12時間くらい滞在。
ハンターハンターはドッジボールが始まるあたりまで読んだ。
ゴン、もうすぐジンに会えるぞ。がんばれよ。

真夜中の帰り道はいつもガラガラ。
12時間漫画を見んだ後のカブ走行はとても気持ちが良い。
脳ミソを洗われている感覚。
環八の手前の「笹目通り」という看板を見るたびにいつも「笹口騒音ハーモニカ」と「高1の頃に付き合っていた笹先輩」の事を一瞬だけ思い出す。
実物の笹を見ても思い出さないけどね。
漢字、恐るべし。

3/⚪︎
前回のレテパNEWSを読んで心配になった友人達が連日飲みに来てくれる。
みんな「大丈夫?一体何があったのさ?」と心配してくれた。
が、俺は「いや、君達の方が心配だね。俺は天才棋士や将棋AIもびっくりな一手を超序盤で指したに過ぎない。でもこの手が1番勝率が高いと思うんだ。そしてこの一手により数年後俺達は大勝利を得て、大笑いでこの日の事を思い出すんだ!君達こそ大丈夫?人生もう手遅れなんじゃないの?」と大見栄を切っておいた。

3/⚪︎
今日はいよいよ引っ越しの日。
レンタカーを借りて、いざ出発。
車の運転は妻、助手席にはヤックン、俺はカブ2ケツで後ろにはソノダさん。
高円寺→経堂は約20分。
前に一度、今となっては後悔レベルの尋常じゃない断捨離を行なっていたので、荷物は極端に少なく2往復で完了。(2018年頃、死期が近いような気がしていたので、捨てれるだけ捨てた。バイト先のたこ焼き屋の善意でどんな物も事業ゴミで捨ててくれたので)
今の部屋でずっと使っていた「妻の祖父の昭和な勉強机」と「妻の祖母の昭和なシングルベッド」も無事に貰えたので、引っ越し先でも元の部屋をほぼ再現出来た。

ソノダさんはバンドスタッフとしてはピュア過ぎて全く不向きなのだが(損得よりも名誉を重んじてしまうタイプ)実家が貧乏だったおかげ?で生活力は半端なく強い。
ので、引っ越しもそろそろ終わりだなあ、というタイミングで「ジモティー来ました!冷蔵庫!洗濯機!炊飯器!ケトル!4点セット!大田区旗の台!今から受け渡し可能!」とすごい情報を掴んでくれた。
が、レンタカーの返却が20時までなので、ギリギリ間に合わないよなあ、と思いながらダメもとでレンタカー屋に電話したら「閉店20時までですけど、良いですよ。待ちます!」と言ってくれた。しかも延長料金無しで。

意識高い系女子、といった感じの美人の姉さんから家電を受け取って(昔こういうバイトをしていたので、引き取り方がプロっぽかったのだろう「もしかして業者さんですか?」と怪しまれてしまったが)高円寺駅前のレンタカー屋に無事に車を返却。
妻をカブに乗せて家に帰る途中「あーあ、これでカブも乗り納めかあ。」と言うので「いや、別にカブには乗れるんじゃないの?離婚したって。」と言ったら嬉しそうにしていた。
この90CCのカブは、たこ焼きバイトの時のバイク乗りの上司が「ひろしも昔カブに乗っていたのなら、これをあげたら免許を取って酒もやめてまたツーリングしたりするかもな。」と言ってプレゼントしてくれたおんぼろカブ。(貰ったのに3年くらい雨ざらしで放置していたが、、ちなみに昔乗っていたプレスカブは原付なので普通免許で乗れた。🎵プレスカブのスピードでー🎵よく旅に出てました)
そして2019年頃、酒をやめてボーッとしていた俺に「私カブの後ろに乗りたいな。金出すからバイクの免許取ってきなよ。そのかわり私のバイトの送り迎え毎日してもらうけど。」と言って妻が免許代を出してくれたのだ。
なので、あんたが乗りたいと言うのなら地獄の果てまで乗せますよ。
あんたが金出してくれたんだからね。サンキュー。

3/⚪︎
新居で目覚める。
朝の光が部屋中に満ちている。
「あれ?思ったよりも全然日当たりがいいぞ。」と思って窓を開けたら、目の前の室外機の上で猫が昼寝をしていた。
引っ越しの時にも数匹の猫が様子を見に来ていたし、もしかして猫の通り道パターンの家なのでは?(高円寺の家がまさにそのパターン。たくさんの猫やハクビシンや狸の親子が縁側を通り道にしていた)と思って、ベランダの方をよく見てみたら、裏の大家さんの家のベランダからうちのベランダに木の板の橋がかかっていた。
明らかに猫の通り道。
「すげえな。もし俺が猫嫌いだったらどうしてたんだろう。ペット禁止物件なのに、、大家側が猫を送り込んで来るなんて、、」と思ったが、俺はもちろん猫好きなのでウェルカム。
考えてみたら人生で猫切らしたことほとんど無いな。
子供の頃は月形町で田舎だったから(レテパNEWSのタイトル写真がその頃に住んでいた家です)最大12匹くらい飼っていた事もある。
名前が思い付かず「ハンバーガーキッドとハンバーガーキッドⅡとパンダとニセパンンダと、、」みたいにテキトーに名付けていた始末。

生まれる時にオプション選択で「猫付き」の項目にチェックを入れたのでは?と疑いたくなる程、どこに行っても猫が俺に付いてくる。
今にこいつら部屋に入ってくるんだろうなあ。
ワクワクしながら猫を見つめた。
素敵な新居初日の朝。

3/⚪︎
近所を散策してみたが、内見の時の印象と全然違う。
大きな団地や体育館やプールもあって、なんか広々とした明るい地域だった。
すごいラッキー物件じゃん、これで家賃39000円バイク駐輪可だなんて。
サミットも近くにあったので、セールだったジャンボ豚バラのかたまりを買う。
ガス台だけまだ無いので、持ってきたホットプレートで焼こうとしたら、包丁も調理ハサミも無い事に気が付いた。
ホットプレートの火力ではかたまりのままでは焼けないので、しょうがなく素手で肉をちぎりまくる。
この前読んだハンターハンターにも素手で肉をちぎる殺人鬼(ジョネス)が出てきたな、あはははは、と笑いながら肉をちぎって焼いて、炊けた米を食べようとしたらしゃもじが無い事に気が付いたので、ヤケになり肉を炊飯器に入れてそのままジャーを丼にして食べた。
初日からぐちゃぐちゃになったジャーが「おい!なんて事するんだ!僕は意識高い系女子の雑穀米しか炊いた事がないんだぞ!」と怒っている気がして1人で笑った。
物が少ないから笑い声が響く響く。
うーん、久し振りの一人暮らしだ。

3/⚪︎
妻が「にたけん(レテパ2代目ドラマーのにたないけん)とカンボジア料理食べに行くから息子を見てて。」と言うので、カブで高円寺へ。
ほんとバイク駐輪出来て良かったな、電車じゃトータル1時間かかるもんなあ、と思いながら部屋の前からカブを出していると、大家のおばさんが登場。
「そんな狭い所に停めなくても、この辺りどこに停めても良いわよ。」との事。
さすが、猫好き。心が広いぜ。
ブーンと20分で息子のもとへ。
息子は風邪をひいたらしく、熱と鼻水でぐちゃぐちゃ。
でも元気いっぱいで、突進してくる。
高い高いをして遊んでいたら、すべって頭から垂直に落としてしまい彼は数秒間動かなかった。
「ああ、終わった、、」と思っていたら、急に動き出して大笑いしながら突進してきたので安心したのも束の間、笑いながらゲロを吐いたので、一瞬心配したが、大丈夫なようだった。
こういう時や電車とかでも全然泣かずに終始ゴキゲンなので、かなり助かるベイビーだ。
でも、きっと落とされた復讐だろう。
見事に風邪をうつされたらしく、数日間発熱。

3/⚪︎
ハジメちゃんとTEL。
今、彼の周辺では大変な事がたくさん起きている。
彼に比べたら俺の引っ越し騒動なんてただのコメディーに過ぎない。
色々と話し合うが、お互いに「今、レテパシーズはとても良い演奏が出来ている」という自負があるので、何を話していても絶望感は無い。
全てが音になっている。だから絶対大丈夫。
ここまで苦労したんだもん。何があってもどーんと構えていよう。

3/⚪︎
先日「シングルリリースしたから聞いてみてー!」と連絡があり、聞いてみたら素晴らしかったので、そのレコ発ワンマンを見に大久保ひかりのうまへ。
古宮夏希(元嫁。今に元々嫁になるのか)「SAIL AWAY」というシングルのタイトルは俺が2023年の1月に作った「SAIL AWAY」と同じにしたのだろう。(11thアルバムに収録予定。出航編「LIVE AT SHELTER」という映像のラストでこの歌の宅録デモテープが聞けます)
こちらが先に作曲していた事をここに書いておきます。(まあ、ランディーニューマンが先なんだけどね、、)

ライブ後、ライブの感想を求めている顔をしていたので正直に伝えた。
「エレキギターは危険物状態じゃないと意味が無いよ。小さい音をボリューム調整で小さくするのではなく、ボリューム自体は触れるのが怖いくらいの危険物レベルにしておいて、あとは弦への触れ具合で調節しなきゃ、見てるこっちは安心状態になってしまうよ。少なくとも感情の危険は一切感じなかった。歌とギター、同等に扱わなきゃ。お前なら出来るかも知れないけれど、なかなか大変な命懸けの道だから無理せずに。健闘を祈る。」と伝えて帰った。

3/⚪︎
俺の新居を見つけてくれたスーパー不動産屋であり、のっぺらのアコーディオンでもある高林君が高円寺の家に飲みに来た。
宴会の名目は「高林先生を招いて〜レテパシーズSNS強化への道〜」
俺はSNSどころかスマホも苦手なので(脳が止まる感じがする)高林先生と南、ヤハタ、ソノダさんの話を聞いていただけなのだが「どこにも属さずに、嘘をつかず、ただただ歌を聞いてもらいたいだけ」という古き良きアウトローな姿勢が高林君には感じられるので、今回講師として招かせて頂いた。
ショートな動画、と言うと拒絶反応を起こす人も多いかも知れないが、俺が中学生の時に衝撃を受けたのは、ジャニスジョップリンやセックスピストルズやエルビスコステロなんかの数秒のショートな動画だった。(BSロック大全集的なやつ)
先月の物件内見の時に高林君に「レテパシーズの見た目や歌詞はショート動画にピッタリですよ!」と言われ嬉しくなり、レテパメンバーみんなに「というわけで、SNSショート動画部を作りますが、やれる人ー!」と挙手を求めたら、南ちゃんとヤハタ君が立候補してくれた。
あとはみんなにお任せしたので、いつから始まるかも分からないが、いつか始まると思うのでお楽しみに。

3/30
2ヶ月程前、バイト先の喫茶店に行くとマスター夫妻がAJICOの「深緑」を聞きながら仕込みをしていた。
俺も大好きなアルバムだったので「お!アジコですね!」と言ったら「3/30に野音でアジコのライブがあって、そのチケットが取れたのさ。」と言っていた。
家に帰り妻にその話をしたら、すぐに妻もチケットを勝手に2枚取ったらしく、今日がその3月30日。
俺はギリギリまで「うーん。もしベンジーがカッコ悪かったら嫌だから行きたくないな。」とゴネていたのだが、離婚もする事になったし、これが夫婦での最後のデートなら付き合ってやるか、と意を決し、早閉めした店を後にしてマスター夫妻と野音へ向かう。
野音には初めて来たが、映像では「黒いゴミ袋をマントにした大雨のブルーハーツの野音」や「西岡恭蔵さん追悼ライブでのめちゃくちゃカッコいいシバのバイバイブルース」の印象があるので、思い入れは多少ある。
いつかレテパシーズでも野音に出てみたいな、と思っていたが、近々壊すらしい。残念。

AJICOのライブは素晴らしかった。
と言うより、ベンジーが本当に素晴らしく、想像していた「今のベンジーがこうなっていたら本当に最高だな!」の状態になっていた。
頼もしいなあ、少しでも疑ってすみませんでした。
俺、まだまだ全然甘いですね。ベンジーを少しでも疑うなんて。
この人に会えて本当に良かった。

小さい頃から世の中とのズレに悩んだり、熱が冷めていったり。
いつも自分の心に冷たい水をぶっかけられている感覚だった。
まっすぐ進もうと思えば思うほど。
危険だとか、みんなと違うとか、そんな理由で。
自分が間違っているのかなあ、と思っていた時に「全然間違ってないよ」と言ってくれたのがベンジー。
色んな人や物に影響を受けてここまで来たんだろうけど、実際の生き方に1番影響を与えてくれたのはベンジーな気がする。
他人の目を気にしない。
自分が正しいと思うのなら迷わずにやる。
頭と心と体の時差が消えた感じ。
これはベンジーのおかげなんです。
おかげで、駅とかで困ってる婆さんとかがいると、誰よりも早く動いちゃう気がします。
あと、道に迷った婆さんとかが寄ってくる傾向にもある。
1日に3人の老人に道を聞かれた事もある。俺ガラケーなのに。(そのうちの1人は目的地のホテルまで連れて行ったらホテルのレストランで飯まで奢ってくれた)
こんなのもやはりベンジーの教えのおかげな気がするんだよね。

そんな素晴らしいラストデートをありがとう。
と言いつつ、帰り道に一瞬ケンカになりそうになった。
が、UAが最後に「みんな仲良く帰ってねー!」と言っていたのを思い出し、堪えた。

3/31
テレビを見ていたら、先日解散したTHEドイの大泉咲さんが出ていた。(「家ついていっていいですか?」という番組。ちなみに来週はカニ一族が出るらしいよ)
半年前の夏から別居している、という父親との話。
半年前の夏、というと俺はドイと高円寺ドムスタで対バンしている。
あの時彼女はそんな状態だったのか、と思いながら見ていたら、泣けてきた。
昨日のベンジーに続き、同じ類の純粋さを彼女から感じて。
この日は別のテレビにも泣かされた。
能登半島の地震で崖の上の道の駅に何日も取り残され孤立した大勢の観光客がいる、というのは地震直後のニュースでもやっていたが、その中には愛知県からのヤンキー(ああ、まるでブランキーだ)のグループもいて、最初は怖がられていたが、何日か経つと徐々に人々を助けるようになり、救助後には少年から「僕もいつかお兄ちゃん達みたいなカッコいいヤンキーになります」と手紙が届いた、という話。
照れた表情のヤンキーと咲ちゃんとベンジー。
なんだか、共通の優しさを感じた。

🎵ベイビー、ああ
こんなはずじゃなかったことは
この世にあといくつあるだろう🎵
(月/THEドイ)

明日はいよいよエイプリルフール。

4/1
息子をベビーカーに乗せ、3人仲良く杉並区役所へ。
年度初めの初平日、すげえ混んでるのかなあ、と覚悟はしていたが、案の定激混み。
が、俺達が用のある戸籍係は全然空いていて、待ち人数2人。
しかもその2組共が婚姻届を提出するラブラブカップルで、手には茶色の婚姻届を持っていた。
戸籍係の壁には、なみすけ(杉並区のゆるキャラ)のイラストと共に「Just Married!」と書かれた撮影スポットがあり、婚姻届を掲げたラブラブカップルが職員さんに撮影されていた。
妻は「うちらも撮ってもらおうか。」なんて言ってジロジロ見ていたが、せっかくのおめでたムードに水を差しては悪いので「多分俺達も婚姻届と思われてるんだから、その緑色の離婚届を隠せ隠せ。色でバレちまう。」とふざけあって笑った。
俺達の番になって窓口に行くと、前回の裁判官風女職員(日記風、2月編参照)では無く、ドランクドラゴンの塚地風の中年おじさん。
「お願いしまーす!」と明るく渡すと、おじさんも笑顔で「お!明るい離婚だな!いいね!」というリアクション。
椅子に座る時に、荷物の置き方で妻と一瞬小競り合いになりそうになると、おじさんはまるで「おうおう。これが最後の夫婦喧嘩ですぞ!」と言わんばかりの笑顔。
なので俺も心得て「はっはっは。まさに最後の夫婦喧嘩ですな。」と言って笑った。
このおじさん、本当に素敵な雰囲気のおじさんで、俺が免許証を出すと「おお!写真と見事に同じですねえ!これはすごい!」と笑い出した。
俺は「いやいや、一緒じゃなきゃ証明写真じゃ無いじゃないですかー!」と明るくつっこんだ。

届けは無事に受理された。
協議離婚というやつで、ユキコも息子も古宮性のままらしい。(息子の名前にハダを付けるとちょっと面白い言葉になってしまうので、、)
いつ離婚しても「嘘でしたー!」と笑えるように、2018年4月1日のエイプリルフールに結婚した我々でしたが、2024年4月1日、無事に離婚致しました。
ユキコと出会ったのは2010年のクリスマスイブ。
下北沢の道端でまさに運命的な出会いでした。
あれから本当に色々あったね。
辛い事も多かったけど、どう考えてもトータルでは楽しいが圧勝だったよ。
すっとこどっこいの君のおかげで。

それでは、日記風3月編これにておしまい。
めでたしめでたし。
どんな4月が待ってるのかなあ。
1月2月3月と、なかなかヘビーだったので、どうぞお手柔らかによろしく。

PS.写真は在りし日の夏の我々。
というよりも夏の終わりの我々かな?
浜辺にはほとんど誰もいないのに、海に突入しようとするユキコ。
そしてそれをただ眺めている俺。
2人はいつもこんな感じでした。
皆さん今までありがとう。
たくさんの迷惑をかけました。
そして、これからも迷惑かける気満々です。
引き続き、笑いながら見守ってやって下さいね。