12月4日(月) ソリ遊びのような旅に出る

「鬱の本」について。
本の発売がレコ発ライブと重なってしまったので、このレテパNEWSではまだ紹介出来ていませんでした。
点滅社という出版社の屋良さんという方が、レテパを気に入ってくれたらしく、面識は無かったのですがオファーしてくださいました。
「10代の頃の鬱屈、鬱、読んでいた本」について1000文字で。
という事だったので「鬱、憂鬱、10代、本、と言われ放出したレテパシー」という文章を書いてみました。
鬱も憂鬱も10代も本も、自分にとっては身近なテーマだったので、スラスラと書けました。

発売直前まで他の執筆者が誰なのか知らなかったので、友部正人さんの名前を見てびっくりしました。
俺は偶然にも「読んでいた本」の紹介で友部さんと星野道夫さんの名前を出していたので。
「どこから読んでも良い本」との事なので、パラパラとめくって数人の文章を読んでみました。
みんな「1000文字で2ページ」という約束を守っているので、どこを開いても2ページびっしり文字が並んでいる。
そんな中、パラパラとめくっていたら、1人だけ片方のページが白紙の人が。
それは谷川俊太郎さんでした。
2ページどころか1ページにも満たない谷川さんの文章は圧倒的で、2ページどころか2億光年を感じちゃった。
友部さんの文章も素晴らしく、この前初めて話した印象も相まってか「友部正人は都会に住む野生動物だな」なんて思いました。
友川さんの「スマホ首」には声を立てて笑いました。(俺は20代前半の頃に友川カズキの前座をした事がある。移転する前のススキノLOG)

歌や小説や詩や映画や絵、とかなら、自分なりに優劣(分かりやすく、雑な言い方でごめん)をつけれるのですが、エッセイ的な文章はそういう気持ちで読んだ事が無かった。
好き嫌いはもちろんあるけれど。
他人と並ぶ自分の文章を読むのは初めてだったのですが、なんか自分の文章もいい文章だな、とちゃんと思えました。
文章を書くのは子供の頃から好きなので、今後はこういうオファーもたくさんくればいいなあ、なんて思いました。

「鬱の本」(点滅社)/1800円
書店や通販でどうぞ。

12月になりましたね。
12月1日になって街を歩くと毎年、ついついシオンの「12月」を口ずさんでしまいます。

12月
街はクリスマス気分
あちこちから想い出したようにジョンの声
そして俺ときたらいつもこのごろになると
なにかやり残したよなやわらかな後悔をする

でも、今年は違いました。
シオンじゃなくて自分の歌を口ずさんでいました。
12月1日の朝、起きたら「シェインが死んだ」との知らせ。
抱っこした赤ん坊のピカピカの顔を見つめながらシェインの事を考えていたら、久し振りに歌が出来たのでした。
だからアルバイトに行くために家を出ても、自分の作った歌が頭の中で流れていました。

今年の5月に子供が産まれてからは、まだ1曲も出来ていなかったのですが、シェインのおかげで出来てしまいましたね。
11thアルバム用の10曲完成以降、子供が産まれたり、断酒後初のアルバイトを始めたり、ドタバタしていたせいもあってか、歌が出来るような感じじゃありませんでした。
もしかしたらこのまま一生出来ないのかもな、なんて思ったりもしました。
別にそれならそれで全然構わないのですが。(古い歌を歌うのも好きなので)

というわけで、12thアルバム用のデモテープは「12月1日」という歌で始まりました。
こうなるといつものようにポンポン出来ちゃうような気もしています。
シェインのおかげ。
さすがだね。サンキュー。

「12月1日」

君が死んで悲しい
君に会えてうれしい

ティンカーベルやマガウアンと
今日から街は12月

いつの事か知らない
いつも僕は死なない

ピーターパンやマガウアンと
雪の無い街の12月

明日は僕のバースデイ
雪の早い年にはいつも
おたんじょうび会でソリ遊びができる
だからもっと降れと祈っていた

何の事か知らない
いつも僕ら死なない

マガウアンやフック船長と
ソリ遊びのような旅に出る

雪の無い街の12月

今日から街は12月