3月16日(月) 続6th「アコースティック」制作スタート

6thアルバム「アコースティック」のレコーディングに向けて、各曲のアレンジが進められています。

2/21のライブ(あ、撮影してもらったから、近々ユーチューブに載せてもらおう。どの歌にしようかな?)の前の1ヶ月はまさに猛特訓という感じでしたが、今はアレンジなので、閃きとセンス勝負のアーティスティックなスタジオになっています。

他のバンドがどんな風にやっているのかは知らないが、レテパはまず俺が弾き語りでみんなに聞かせて、そこから全員でアレンジしていきます。
レテパを始めた2010年以降は、歌が出来る時に頭の中でバンドサウンドが鳴るようになったので、2010年以降に出来た歌はバンドアレンジしやすいんじゃないかなあ?
逆に、それ以前の歌は、一人で歌うのを前提に出来ているので、ちょっと難航する事も多いのかな?と思い込んでいましたが、みんな難なく素敵なアレンジに仕上げてくれます。

この前のスタジオでは、春、夕立が降ってる、炭住の赤い屋根に、月形、の4曲をやりました。
4曲とも2001年~2007年の歌なので、ちょっと大変かな?と覚悟していましたが、難航どころか「こんな感じになるなんて!でも、これがこの歌の本当の姿のような気がするな。」という一番嬉しい瞬間のオンパレードで幸せでした。

僕のレテパシーズ/「アコースティック」
1.旅に出るなら
2.いつも心だけはあの日陰で涼ませたまま
3.廃墟
4.春
5.調布飛行場
6.夕立が降ってる
7.炭住の赤い屋根に
8.月形
9.猫との午前
10.思わずブランキー

こんな曲順になると思います。
昔、あるエンジニアに「今時、アルバムを曲順で聞く人なんて、あんまりいないんだから、そこまでこだわらなくても良いと思うよ。」と言われましたが、アルバム収録曲を選ぶ時には、まず最初に曲順を決めて、並べて聞いた流れを一番大切にして、ダメなら収録曲を差し替えて、という風に、曲順ありきで収録曲を決めています。
まあ、レテパは太宰さんでいったら「晩年」(過去に書きためた沢山の作品の中から選んで掲載した第一作。)を未だにやっているような状態なので、こんな感じなのかもしれませんが。

高校生の頃に夢中だった、友部正人や星野道夫の作品は、年代順に聞いたり読んだりして「ああ、この人がこんな事を歌うようになったか。」とか、人の変化に感動する若者でしたので(友部さんなら、順番に聞いていって「なんでもない日には」に辿り着いた時の感動はすごかった。こんな歌を歌うようになれるんだな、これなら俺も生きていけるかもな、と思った。)俺も出来た歌を出来た時に発表して、自分じゃ分からないが、もし変化しているのなら、変化も感じてもらえたら一番良かったが、それは出来なかったね。

自分の一番最初の作品は何か?と聞かれたら、2001年にヌルマユというバンドの永井君が録音してくれた「僕の頭が火事になったら」というアルバムだ。
永井君は、その頃の俺のライブも勝手に録音してくれたりしていて、実は結構色々残っているので、いつか10代の音源ばかりを集めたCDも作りたい。
タイトルは「17才」か「セブンティーン」にしよう。(歌い出したのが17才だから。)

その後、古宮MAPというタイトルで、ソロアルバムを、古宮MAP7まで作っていた時期があり、これは出来た歌を出来た時期に発表していたが、当時はライブしてもお客がゼロ、とか、ざらだったので、持っている人はほとんどいない。
2010年にレテパが始まったので、2009年の古宮MAP7を最後にMAP作りは止めてしまった。
そこからずっと、レテパレパートリーは過去のMAPから持ってくるのが基本で、たまに新曲が出来たらそれもやる、というやり方が今も続いている。

当時自分としては「この無名のバンドは、いつメジャーデビューしても、今すぐアルバム5枚は名作を作れるくらいの歌があるんだぞ。商売人の皆さん、安心して売りたまえ。」という気持ちでいた。
(俺が見たインディーズバンド界隈は、どこの世界よりも、お世辞と人付き合い、が大切にされている世界で、こんなタイプの競争世界では、絶対にやっていけないな、と思っていた。ので、レテパの演奏以外の事はプロの商売人がやるべき、と考えていた。)

2012年の「LIVE AT MOTION」も、そういう意味で商売人に対する「プレゼン」「カタログ」という気持ちがあったので、35曲を短期間でアレンジし、ライブレコーディングを強行した。
2013年の「ぴりぴりのファースト」を出したら、大手レコード会社の人がやって来て、デビューに向けての付き合いが始まった。
彼らに言わせると「才能はあるが、下手だし、なにより集客力が無さすぎる。」との事で、不景気な音楽業界では、デビュー前から、客がついていて、ある程度上手(せめてヘタウマ)でないといけないとの事だった。
俺は「下手なのは気付かなかったが、そんなのはすぐに上手くなるだろうし、集客はあんた達と契約すればすぐに増えるだろう。それよりも、このたくさんの宝の山(歌達)が目に入らないのかね。1年にアルバム1枚として、少なくとも5年は計画的に売れるんですよ。たとえこの後、新曲ゼロでも5年ですよ?」と言い続けたが、彼らは「新曲は作らなきゃいけない。どんどん作ってくれ。」と言う。
俺は「それだけは出来ない。作ろうと思って作ってないから。歌は勝手に出来るのを待つしかない。」と、そこは全く相容れませんでした。

そんなこんなで、メンバーが変わったり、試行錯誤して2015年位まで、デビューに向けて準備していたが、ある日とうとう大ゲンカに。
本社の会議室で、作戦会議が開かれていたが、また「新曲新曲。」うるさいので、トイレに行くふりをして、席を外すたびに、会社の大きな冷蔵庫の中にお歳暮のビールが大量に入っているのを見つけていたので、隠れて全部飲んでしまった。
で、バレて、ケンカになり、プロジェクト解散。(その時の映像は奇跡的に、はせがわだいが撮影している。まあ、いつかレテパドキュメンタリー映画の際に使ってくれ。俺は悲しくなるから見たくないけど。)

当時を知る人からすると、いくら大手メジャー会社とはいえ、ひろしはずいぶん固執していたね、と思う人もいるみたいだが、それには上記の「商売は商売人に」以外にも理由があって、ここのレーベルに在籍していたのが、俺が一番影響を受けた2人がやっているバンドだったから、なのでした。
そうじゃなかったら、はじめの方でさっさとケンカ別れしてた事でしょう。
「会社も金が無いから、1組だけ力を入れてデビューさせるから、今そのバンドを捜している。早くそのバンドになれるようにがんばってね。」といつも言っていたが、昨年そこから大々的にデビューしたバンドがいた。
あれがそれになったか。上手いし、なんとも高学歴サウンド。最新型の適度な退廃感。
年末紅白見ながら、こりゃあ敵わない。お門違いだね、と思いました。

話がそれましたが、このページは俺が忘れないうちに色々と「資料」的な面もあって書いているところもあるので、まあ、今回も長くなりましたが、許してね。
ボケているので、たまに同じ事書くみたいだけど、多めにみてね。

では、明日もスタジオです。
早く5th「レテパシー」6th「アコースティック」同時発売出来るようにがんばります。

PS.MAP7が見当たらないが、MAP6まではこんな感じ。ジャケかわいいでしょう?
6は「プレスカブのスピードで」5は「夜明け前」の絵。4は「炭住の赤い屋根」の前でパチリ。(この頃は若さゆえか、髪の毛が重力に逆らって上に伸びていた。今は下に伸びます。)
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ps.スタジオで「トイレットペーパーが無くなったから、昨日からケツ拭いてねーよ。他人のケツの事を考えられないような大人にはなりたくないね。」と騒いでいたら、次の日、俺のケツの穴の衛生状況を心配した高野京介が、どうにか手に入れて届けてくれた。
彼は超バンドマンなので、適応力がボヘミアン級で、片付け中の新居の俺の部屋で、事務作業を始め、疲れたら昼寝してしまった。
部屋にはまだ、俺の物が何も無いので(机やライトやベッドはおじいさんの物)だんだん高野君の部屋のような錯覚に陥りました。
どこでも作業出来て、どこでも寝れる、超バンドマン。頼もしい。
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PS.今、新居の駐車場はこんなありさま。
でも、家の中はやっと空になったので、あとはひたすら掃除します。
来週には引っ越したい。
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PS.うろうろしている野良三毛とは少しずつ距離が縮んできている。まだ触らせてはくれないが。
どこにいるでしょーか?
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PS.レテパヘッズで画家の貝塚歩さんが、宮本三郎記念デッサン大賞展で審査員賞(小澤基弘賞)を貰って、展示されているというので、見に行きました。(書くのが遅くごめんなさい、昨日で展示終了。)
彼女は行動力があるので、昔、酔って機嫌が良くなっている俺が「レテパ好きなら、空知の絵も描きに行かなきゃウソだね。行くなら俺の実家に好きなだけ泊ればよい。」と記憶に無いが言ってたみたいで、その後、彼女は実家に滞在して空知の絵を描きまくり、俺の両親とも知らないうちに仲良くなっていた。

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PS.見に行った後、こんなメールを彼女に送りました。

昨日展覧会行きました。
こういう色んな人の絵に混じった歩ちゃんの絵を見る機会は貴重なので、気合い入れて見ましたが、お世辞じゃなく、一番よかったよ。
単品で見るのもよいけど、他人の絵と混ざって見ると、ああ、やっぱり歩ちゃんは特別な才能があるな、と思ったよ。
やはり、ちゃんと出来上がって来たんじゃない?貝塚歩が。
引き続きがんばって前進しよーね。

1位(古宮大志賞)「旅の途中」貝塚歩
2位(大賞)「アロハの心で」寺賀淳子
以下入選
「メランコリアⅡ」竹内みか
「待っている時間」園田源二郎
「どこかの」尾形愛
「シャトル」湯浅景子

こんな感じかな!
がんばろー!

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歩ちゃんも俺も低学歴タイプなので、苦労する事もあるけれど、勉強が大切だとは人一倍思っています。
勉強あるのみ。
まわりからはゴロゴロしてるようにしか見えないみたいだけど。俺達は真剣なんです。