12月26日(木) 良いお年を

先週から僕のレテパシーズ5thアルバムの録音が始まっております。
とても順調だし、今までの「レコーディングまでに100%アレンジを固めておいて、それを演奏する。」というような録音では無く「レコーディングまでに70%くらいアレンジを固めておいて、残りはレコーディングしながら閃きで。」という感じなので、これからもっともっと素敵になっていく事でしょう。

考えてみたらレテパは今までに13人メンバーが変わっている。(ユキコとタカユキカトーは一度辞めたが復活した。ずっといるのは俺だけ。何か俺の性格に問題があるのだろうか?)廃盤にしたCDや発売されなかったCD(実は「僕を殺せるのは~」の後、幻のセカンドがあった。完成していたがベース寺中四の脱退、飯田裕の加入騒動があり、寺中さんとの録音だった幻のセカンドはお蔵入りとなった。)も含めるとレコーディングも大分ベテランだが、毎回見事に録音方法が違う。
録音に対して俺には変なこだわりは無く「完全な等身大。1ミリも大きくしたくも小さくしたくも無い。(実物よりもカッコ良くもカッコ悪くもしたく無い。色が変わる分には素敵ならOK。)」という鉄則以外は「その時のメンバーの特徴に合わせて、みんなが本領発揮できる録音方法が良い。」というスタンスなので、今回も今までと全然違う方法だ。
年明けには録り終わるだろう。

来年は、
5thアルバム完成
6thアルバム完成
僕のレテパシーズ全歌詞集(全曲英語訳付き)完成

ずっとやりたかったこの3つを終わらせて、あとは野となれ灰となれ、隠していたハードコア魂を爆発させてライブしまくりたい。
これが俺の来年の目標です。

PS.改めまして左後ろから
キーボード/ハダユキコ
(「そしてトンキーは死んだ」の超絶ピアノ演奏はこちら↓)
https://mobile.twitter.com/retepunk/status/1210190259343917063
ドラム/関口萌
(はじめって読むよ。はじめちゃん。)
ベース&レコーディング/タカユキカトー
(2014年在籍時はギター担当だった。あの「君しかいない」の素敵なギター全般など、実はタカユキ氏が考えたのを、そのままはなえもんが弾いているものもある。)
ギター/高野京介
(最近知ったがこの4人は来年年男&年女の同じ年。しかも誕生日も近いらしく1月2月3月4月と続いている。)

そして、左下のお兄さんは新キャラ登場でドラムテックの北村優一さんです。
事前に収録曲のデモを聞き込んで、その曲毎にドラムを替えてくれたのです。
はじめちゃんも大満足。
俺は聞いた事無いが「レッドツェッぺリン1」みたいに素敵な音なんだぜ。お楽しみに。

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PS.シンバルには「ダーククラッシュ」の文字が。
カッコ良いからこれジャケにしてアルバムタイトルにするか。
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僕のレテパシーズ/「DARK CRASH」
1.長野県のお月様
2.音楽
3.ミツバチ
4.たこ公園
5.地下室の外は
6.雪包丁
7.佐藤君と伊藤君
8.そしてトンキーは死んだ
9.東京の空で
10.水平線

PS.ユキコの楽譜には鋭いメモが。
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PS.KISSシャツも着た事だし、歌詞も素敵な英訳にしてもらって、海外進出するぞ。
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PS.というわけで、今年も終わります。
2010年結成の僕のレテパシーズ。
10年間お疲れさまでした。よく解散しなかったね。えらい!
20年代は僕のレテパシーズの時代が到来して、クレイジーな10年間になる事でしょう。
覚悟しとけよ。
では、良いお年を。
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12月12日(木) 昨日の地獄

というわけで、前回の「深海」の最後に書きましたが、昨日は地獄に行って来ました。
その様子をどーぞ。

前書いた通り、曲もほとんど知らないし、CDだってもちろん持っていない。
これで最後だという強迫に観念してGO。
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朝起きると、また例の激しい思い込みが襲う。
「メイクしないで行ったら負け犬だぞ。」「口ばっかりの汚い大人になっちゃうぞ。」心の声に導かれるまま中野のドンキホーテへ。
店員さんに事情を説明すると、バカ殿じるしを勧められ購入。
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ビフォー。断酒10ヶ月。超クリーン。
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アフター。地獄へようこそ。
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気分はもうロックスター。どけどけ凡人ども。
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ライブ終了。
一曲目デトロイトロックシティーイントロで涙が溢れてメイクが剥がれた。
令和になって泣いたのは2回目。
もう一回はキングオブコントのどぶろっく。
俺のロックはどぶとデトロイトか…。
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帰りの電車も乗客からヒソヒソと「キッスだ。」と囁かれロックスター気分を味わう。
が、駅に着いた瞬間、知人達に遭遇。
「え?マジで何やってんすか?」
「えーと…。あのー、キッスっす。」
夢から醒める。
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というわけで、録音がんばります。
超がんばれそうな気がします。
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12月10日(火) アルバム全曲紹介「深海」編

「深海」は3rdアルバム「永遠に、たまに」の1曲目です。
このアルバムは2017年夏に録音しました。

前年の秋にキーボードのユキコが抜け、その後、ギターはなえもんも抜けると言い出したが、アディー、いーちゃんの二人が止めて、残る事になってのアルバム録音。
俺はボロボロだったらしく、6月に病院に連れてかれて、医者や自助グループに言われるがままの治療をしていたが(ライブがキャンセルになるので入院は拒否したのだから、完全な言われるがままでは無いが。)ライブがうまくいかなくなり、4本最悪のライブをした。
ミスターワンテイクと呼ばれるほど、一発OKが好きなタイプですが、このアルバムは一度歌ったボーカルが気に入らず、全部録り直した。
録音初日に全曲歌い一度OKを出したのに、2日目に聞いてみたら全然ダメで全曲録り直した。
テイクが良くない事よりも、こんなテイクに一度OKを出していた自分にショックを受けた。
なんでOKと言ったのだろう、自分の感覚が狂ってしまったのか、と怖くなり絶望した。

録音は泊りがけで、2日目はコーラスとか後録りの部分の予定だったと思うが、俺はボーカルを録り直したいと言い、みんなはいつも通り一発目ので全然良いと思う、と言ったが、もう一度歌った。

1曲目「深海」を歌い出すと奇跡的に(自分ではコントロール出来なくなっていたのだから、悲しいが、奇跡、だ。)前のように歌えた。
まわりもすぐにわかってくれたみたいで、そのまま10曲止めずに一言も話さずにぶっ続けで歌わせてくれた。

前日使った録音用のマイクでは無く、買ったばかりのライブ用のマイク(NEUMANN105)を使った。
初めて使ったので、今までのマイクと同じように持って歌っていたら、持ち方が悪くミュートバースト?みたいな状態になっていたみたいで、少し特殊な音質になってしまった。
が、これ以上はもう無い、と判断しOKを出した。今でもOKだと思っている。

俺も、アディーもいーちゃんもはなえもんも、ボロボロだったんだろう。
このアルバムには悲壮感が漂っている。
10曲目「永遠に、たまに」はエンドロールのように優しい。悲しい映画。だから、美しいラスト。

アルバム録音後、はなえもんはミックス作業の途中で脱退した。
アディーはアルバムを完成させ、レコ発ワンマンを最後に脱退した。
いーちゃんと俺はそのまま残り、ボロボロのまま4th「ブルースマン」制作に向い、完成後いーちゃんは脱退した。
俺は今、元気一杯ノリノリで、来週には5thアルバムの録音が始まります。

というわけで、解説。

「深海」は2016年に出来た歌で、歌の通り北海道三笠市にある博物館に行った時の歌ですね。
三笠市は南空知にある炭鉱町。
炭鉱が終わった後は、化石が採れるので、それで町おこしをしています。
小学生の頃、隣町の月形町に住んでいた俺は、化石掘りに夢中になり、三笠の山や河原(幾春別川、周りには炭住の赤い屋根が並んでた。)で貝や葉っぱや、時にはアンモナイトの化石を見つけたりした。
見た事の無い化石を見つけると博物館に持って行き、博士達に「もしかして新種じゃないですか?歴史的大発見では?」なんて質問していた。
博士達は優しかったが、俺の親戚には博士達の敵の商売系アンモナイトハンターの大物がいた。俺は博士達と学術的な話をしながらも、心の片隅では一攫千金を夢見てしまう自分もいて、チビッ子なりに葛藤した。

三笠市は化石掘り以外にも縁があって、父方の祖父、古宮喜一は戦後、美深で農家をしていたが脊椎カリエスになり、転職を考えていたら、空知地方が炭鉱で盛り上がっていて、そこでなら商売を始めたらすぐに上手くいくという噂を聞き、近所の豆腐屋で1週間修行をして、そのまま三笠に「古宮豆腐店」を1956年に出店させて、3人の子供を育て上げた。(閉山後は栗沢町に移転。今は「角」という蕎麦屋になっている。)

2015年冬、札幌でのライブのついでに帰省し(今実家は岩見沢。これまた三笠の隣町。)その時に久し振りで博物館に寄りました。
頭がクラクラするほど暖かい博物館のロビーの窓から見てた景色です。

「深海」

ここは昔 深海だったから アンモナイトの化石がとれるんだ
三笠市立博物館の窓から 潜水艦みたいな ぶ厚い窓から見てる

無音の雪はあの頃の海だね
無音の雪はあの頃の様だね

深海 僕にはなぜだか懐かしい
なんでだろう さようなら 全部

3rdアルバム「永遠に、たまに」収録
(2016年作詞作曲)

PS.この歌は歌った後、もう一周歌無しで演奏が続く。
これを後奏と思わずに、むしろ歌が前奏で、歌無い所がメインだと思って演奏しよう、とメンバーと話してた。
どうかな?うまくいったかな?聞いてみてね。

PS.その時の写真。炭住(炭鉱住宅)の赤い屋根と私。
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PS.古宮豆腐店。七が三つで喜。古宮喜一の喜。
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PS.5thアルバム録音前の最後のスタジオが終わりました。
皆さん自信満々です。
(上記の、はなえもんミックス途中で脱退、のレテパを救ったのがギター高野京介だ。超短い時間でワンマンのセットを覚えてくれて「永遠に、たまに」レコ発は素晴らしいライブになった。)
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左から
ハダユキコ(キーボード)
高野京介(ギター)
関口萌(ドラム)
タカユキカトー(ベース&レコーディング担当)
がんばろー!

PS.薄々勘付いているでしょうが、俺は外国語の歌をほとんど聞かずに育ちました。(ポーグスくらいだ、聞きまくったのは。)
道民の方は懐かしいでしょうが、中学生の頃「まる音スーパーデラックス」という外人のバンドのPVばかり流すテレビがあり、毎週録画して見てた。
バンドを見ても歌詞にしか興味の無かった俺には、外人の歌はほとんど入ってこなかった。
が、当時珍しく気に入って、ビデオを何度も巻き戻して見てたPVがある。
暗い中でピエロ?が太鼓叩きながら歌ってたPV。

俺は思い込みが激しい方だと思う。
一度思い込むと、それをしないと全てが終わりのような気がしてきてしまう。
最近は少しはマシになってきたが、先日テレビでこのPVが一瞬流れ、何事かと思ったら、キッス最後の来日、との事。
「デトロイトロックシティー」という映画(キッスのコンサートに行く為にキッズ達が奮闘する。)も好きだったし、得意の思い込みで「最後のキッスも見ないなんて、嘘つきのイカサマ人間だ。」となぜか激しく思い込みだした。
「ハードラックウーマン」以外の歌はほとんど知らなかったし、そもそも家には11月分の家賃しか金が無い。
が、買ってしまった。地獄のスタンド。2万円。家族二人で4万円。すまん大家、年内にまとめて払います。
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