10月14日(木) 7th発売のごあいさつ

カブで旅してた時に、松本の岡沢じゅん君のところに寄ったら、占い師がいて占ってもらった事がある。
「これから何をしたいか?」と聞かれたので「それに答えるためには今までの経緯をちゃんと話さないと誤解されるな」と思い、それでもなるべくかいつまみダイジェストで説明したつもりが、気付いたら2時間もかかってしまい、みんなに呆れられた事があります。
(占い師の人は素敵な人で熱心に聞いてくれたけど)

こういう悪い(まあ、良くは無いだろう)所は幼少期からあって、完璧に準備や前置きが終わらないと前に進めないタイプでした。

目の前に好きな人がいて、相手も自分の事が明らかに好きで、あとは「好きです。付き合って下さい」と言うだけでいいのに、これこれこうだから好きなんだ、自分にはこんな事があったんだ、と、さすがにそこまで野暮ではありませんが、相手に誤解されたくない(まあ、古き良き伝統的な自意識過剰ですね)気持ちはおそらく他人より強く、いつも「前置きが長い」と注意されます。

生きていて新しい歌が出来たら歌う。
そんな普通の事が僕のレテパシーズは出来ていませんでした。
新しい歌を歌う為には、長い60曲の前置きが必要なのでした。

それが終わり、ここからやっと本題に入れる気がします。

「好きです。付き合って下さい」

やっと言えた気分です。
クレイなジーな俺達ですが、どーぞよろしく。

2021年10月14日発売
僕のレテパシーズ7thアルバム
「クレイなジー」

1.クレイなジー
2.青春
3.としまえんど
4.コロナの頃なら
5.パンクな名古屋娘
6.あのこは人間を描くのが苦手
7.So.Ka.Be
8.エレキギター
9.才能がなかったんだろ
10.天国から来た男

ボーカル:古宮大志
ギター:カニユウヤ
ベース:ヤハタトシキ
キーボード:ハダユキコ
ドラム:関口萌

作詞作曲:古宮大志
編曲:僕のレテパシーズ

「天国から来た男」
作詞:山下由
作曲:古宮大志

録音/ミックス:馬場友美
(吉祥寺Gok Soundにて)

ジャケット撮影:二宮ユーキ
(新宿Marbleにて)

PS.というわけで、1st〜6thは2000年から2019年作曲の寄せ集めでしたが、今作7thは全部2020年作曲です。
もう8thのアレンジも始まっています。
が、7thの録音で完璧に金が無くなった(使っていい金が無い、とかじゃなく借金も余裕で視野に入れた本当のやつ)ので、8thの録音を無事始められるように、皆さん「カッコいい!」と感動したら隣近所向こう三軒両隣に「おーい!野生のイカしたエンデンジャードスピーシーズ(絶滅危惧種)がここにいるぞー」と教えてあげて下さいね。
我々は野生の絶滅危惧種なんですよ。
貴重貴重。保護保護。(保護されたら保護されたで逃げ出したくなる気もするが)

PS.「天国から来た男」の経緯についてはこちらからどうぞ。
(今読み返したが「シングルマンを聞いていたら〜」は出来過ぎですね。でも俺は割とこういう事が起こるので、全然不思議に思わずサラッと書いていますが、信じられない人はヤハタトシキに確認して下さい。友人→ヤハタトシキなので)

PS.「コロナの頃なら」もちょっとだけ説明。

昭和初期、東京高円寺。
一人の少女が絵葉書を買いました。
昭和11年6月、北海道で観測された「光冠コロナ」の絵葉書です。
少女はその絵葉書を、しおりや手紙、写真などと一緒に宝物入れの箱に大切にしまっておきました。
それから少女はおばあさんになるまで高円寺に住み続けました。
今は痴呆になり、老人ホームに住んでいます。
空き家になったおばあさんの家はゴミ屋敷のようになってしまい、俺が片付ける事になりました。
ちょうど世間がコロナ、コロナ、と騒ぎ出した頃でした。
ラジオからはコロナコロナ、片付けは延々1ヶ月経っても終わらず。
いい加減疲れた気持ちになっていた俺が、薄暗い納戸の奥を掻き回していると、古い小箱を見つけました。
金目の物でも入っていないかな?(ええ。クズですよ。負けません)と思い、箱を開けると、、、

そこには光が描かれてあり、俺は途方もない美しい気持ちになりました。
しかも北海道。去年死んだ俺の祖母も少女の頃、見上げたんだろうな。
なにしろ大フィーバーだったみたいなので。光冠コロナ。

まあ、まさに光り輝く金目の物が見つかってしめしめ、というお話でした。

PS.アルバム聞いて感動したら11/3のライブに来ると良い。
なかなかイカれたセットリストだよ。
ざまあみろ(レッツゴー)
ゴーゴー。