7月30日(水) ひろしバイバイオートバイ

先日はレテパシーズのライブでした。
セットリストはこんな感じ。

1.さよならの合図
2.愛してる
3.若いバンド
4.SAIL AWAY
5.ホンダ
6.おるたな
7.まだもう
8.夏のアルバム

30分のセットだったので、過去作から入る余裕が無かったのもありますが、ご覧の通り今は11thレコーディングモード全開なのです。
11thの歌は1曲1曲が重い?長い?ドーン?といった感じなので、歌っててどうしても1曲1曲ライブの流れが切れる感じがします。
なので逆らわずに自然体で、1曲終わる毎に喋りたいだけ喋っていたら、ライブ後に玄人風のお客さんから「今日は1曲1曲大切に歌って話してて、ソロライブの時の雰囲気に似てましたよ。もちろんバンドの演奏が凄いので演奏は全然違いますけど。」と言われた。
俺はソロの時代が長かったので、バンドに合わせて歌うのに苦労した。
レテパを始めても最初の数年は上手くいかず、その後は酒でごまかしてたら、あんな顛末になってしまった。
最初の頃はよく「あーあ、ソロだったらいつでも良いライブ出来るのになあ。」と上手くいかなかったレテパライブの帰り道に思ったものだ。
でも今は、ソロよりもレテパの方が自分の本当の状態だと思えている。
こんな日が当然みたいな顔してやって来るなんてなあ。
あの頃の自分に教えてあげたい。
焦るな焦るな、悲しい顔したひろし君よ。大丈夫だから。

この日は俺の大好きな大泉咲という歌手が主宰のイベントでした。
大泉咲の出番は自分の直前だったので、集中するのに振り切って彼女のライブは見ませんでした。
でも、見た友人達はみんな大絶賛してた。
彼女のアルバム「一人っ子計画」はとても素晴らしいので、ぜひ皆さん聞いてみてね。
1曲目〜最後の13曲目まで、彼女は少しずつ明るくなっていくのです。
そういう曲順になっています。
なので、ぜひ通して聞くように。

その前の週には急遽新宿のマーブルでソロライブをしました。
その日はのっぺらが出ていました。
今年の2月にのっぺらのライブを見て、その時のライブが素晴らしすぎて、俺はしばらく大騒ぎしてたのだが、今回も無事かっこいいままだった。
「無事かっこいいまま」って感覚分かるかなあ?
水の綺麗な場所に住んでいた魚が、濁った場所ではいつまでもスイスイ泳げないだろう、という感覚が俺には恐怖観念のように付き纏っている。
25年間ライブハウスで歌ってきたからな。
たくさんの魚の死骸を見てきたからな。
でも、のっぺらは無事にスイスイどころかビュンビュン泳いでた。
次の朝起きると「星座」という歌が出来た。
のっぺらの3人の事を歌った歌なのだが、これはレテパではやりません。
それがどういう意味なのかは、また近いうちに書けると思います。

①昨年11月に出た10thアルバム「夏のアルバム」のレコ発ライブを今年の夏にやるぞ!
②「僕のレテパシーズ詩集」を今年中に出すぞ!
③「僕のレテパシーズに捧ぐ」を今年中に出すぞ!
※全120曲に捧げる120の文章を少しずつ書いています
④11thアルバムを今年中に出すぞ!

という夢を以前にもこのレテパシー通信で書きましたが、少し事情が変わってきました。
④以外は今年は実現しないでしょう。
でも、全て良い感じなのです。
新たな未来予想図はかなりの独自ルートですが、これは子供の頃からの性分なのでしょうがない。
どーせ同じ所に到着するんだから、おもしろルートを選ぶんだ。昔から俺は。

また近々ちゃんとお伝えします。
お楽しみに。

2025年7月30日
古宮大志

PS.最近息子が喋り出した。言語爆発とはこの事なのか。
今の所、彼は乗り物にしか興味が無いので「キシャポポ!」「デンシャ!」「ショボシャ!」「カンコーバシ!(観光バス)」とか乗り物関連用語しか喋らないのだが、最近ようやく「ヒロシ!」と言うようになった、と噂には聞いていた。(離婚して別に住んでるので、1週間に1度しか会わない。ので、俺は「ヒロシ」の現場には遭遇してなかった。呼んでよ、と言っても俺の顔を見て「キシャポポ!カンコーバシ!」としか言わない)
が、この前遊びに行った時の帰り際、いきなり「ヒロシバイバイオートバイ!」と言い放った。
俺は感動して「お前は日本初のラッパーになるぜ!」と褒めてやった。
彼は嬉しそうな顔をして「デンシャ!キシャポポ!」と叫んだ。

PS.先程書いた「玄人風のお客さん」とはレテパ初代ドラマーの五月リョウタ君です。
彼のバンド「5月と夜のバス停」の名曲「ドリンク&ミュージック」は皆さん聞きましたか?
魚達がスイスイ泳ぎ続けますように。
みんなで祈ろう、がんばろう、急ごう。

7月12日(土) 西調布での夏の一日

おかげさまで、11thアルバムの録音が始まっています。(11thデモCDの残りも少なくなってきました。ありがとう。あ!買おうと思ってた!な人はお早めに。11thは大名盤の予感に満ちています。このデモはきっとプレミアムなお宝になる事でしょう)

今作はカニユウヤの提案で「11thは3会場で録りましょう。6/12に4曲、7/8に4曲、8/28に2曲です。」という流れ。
7/8の第2回は西調布にあるREIMEIというスタジオ。
着くと隣には小さな畑があって、とうもろこしの髭が揺れていた。
俺は昔、稲田堤(調布とは多摩川を挟んだ隣駅。2005年〜2012年まで。1st〜6thの多くの歌はこの時期の作曲)に住んでいて、調布の深大寺にあった鬼太郎茶屋でバイトもしてたので、この辺りは懐かしい。
あの頃の懐かしさを感じる為に、この辺が舞台のつげ義春の中期後期作品を定期的に読んだりするくらい。
最近は恋人が多摩センターに住んでいるので、カブで向かう時にもこの辺りはよく通る。
少し前まではなんとなく悲しい感じがする懐かしさだったので、このエリアは敬遠していたが、今では明るい懐かしさ。
気が早いが12thアルバム収録予定の「経堂駅」という歌の頃には、まだ少し悲しさが残っていたようで、ホームから見える多摩丘陵方面を、悲しげに眺めたり眺めなかったり、といった感じの歌詞になっている。
この歌は2024年の2月7日作曲か。
11thを最高傑作にして、12thでサッと越える予定。
REIMEIの初めましての店長さんにも「お疲れ様でした。録音良い感じでしたか?」と聞かれたので「今日で確信しました。最高傑作になると思います。でも来年出る12thでサッと軽やかに越える予定なので、残念ながら1年間の王者ですね。店長さんはさすがに調布好きですよね?レテパの5thアルバムのジャケは調布飛行場で撮ったんですよ。あとややこしいけど6thアルバムの収録曲に調布飛行場という歌がありますよ。なんだこれ?今考えると本当にややこしいジャケだなあ、5thと6th。まあでも最高の11thになりますよ。期待して待ってて下さいね!」と興奮して一方的に捲し立ててしまった。

今回の4曲も仲良くいっせーのせで録音した。
終わった後、カニがギターを重ねると言うので、俺と南ちゃんとヤックンはロビーで過去の恋愛について総括していた。
ハジメちゃんが見当たらないな、と思ったら、録り終わったカニと共にビール片手で恍惚の表情で出てきた。
俺が「なんだ、カニギターを肴に飲んでたのか。嬉しそうな顔して、生粋のミュージシャンだなあ、ハジメちゃんは。」と言うと「だってこんな間近でカニ録音を見れるなんてサイコーの贅沢だよ。」とご満悦。
俺が「音楽家の鑑だな。それに比べてこっちの2人は、、」と茶化すと、ヤックンが「俺だって見たかったけど、あんまり人がたくさんいると邪魔かと思って遠慮したんだよ。ちぇっ。」と言っていたのが、THEヤックンという感じで面白かった。(ちぇっ、は俺にだけ聞こえた妄想です。実際には発していません)
南ちゃんは「私なんかには芸術よりも恋話がお似合いですよ」という顔をして微笑んでいたが、その1時間前には「ピアノの音を重ねる南ちゃんをヤックンが間近で見て部屋から出てきた。俺はやはりロビーにいた」という同じようなシーンがあった。
その時ヤックンは「改めて気付いたけど、南ちゃんって凄い事やってるんだなあ。」と愕然としつつも微笑していて、やはり素敵な表情だった。
まあ、こう書くと俺だけがミュージシャンじゃ無いみたいですね。
でもそれで良いんです。ナイスバランス。
なんて素晴らしい5人だ。

エンジニアの馬場ちゃんの機材車に乗ってカニは帰ったが、いきなり窓が壊れて閉まらなくなったらしく、窓全開で2人は夏の夜へと走り出した。
見送りながら、多摩の夏だなあ、と思った。

2025年7月12日
古宮大志

PS.あ、あともう一つ11thエピソード。
冒頭に書いた11thの古宮大志宅録デモ。
これはメンバーに聞かせる為だけに録ったデモで、みんなののびのびとした演奏やアレンジの邪魔にならないように、歌が出来た瞬間に備忘録的に歌ったやつをそのまま収録している。
なぜか歌は起床直後、起きた瞬間、に出来る事がほとんどなので、寝起きのガラガラ声で歌っている。
なるべく色の無いゼロの状態でみんなに渡しているつもりだが、それでもたまにハジメちゃんが「いや、ダメだ。まだひろしデモを超えてない。」なんてピリピリしているのが、頼もしい。
過去作の時にも録音資金調達の為にデモを販売していたので、聞いた人は分かると思うが、このデモからこんな演奏になるんだ!と感動すると思う。
でも曲順だけはこのデモのままになる事が多い。
記憶が曖昧だが、変えた事はほとんど無いんじゃないかな?
あったとしても1曲だけ入れ替える、とかのレべルだと思う。
うん。毎作曲順はデモの時点ですでに決定しているのです。
なのに、今作はめちゃくちゃ変わりそうです。
6/12の第1回録音終了時にハジメちゃんが「1曲目ホンダにしちゃダメかな?」と連絡してきた。
俺は「気持ちは分かるけど、それだと全体の流れが上手くいかない。」と反論した。
でも、第2回録音が終わって、考えが変わった。
というか、新しい曲順がパーっ!っと閃いた。

こんな事は初めてだ。(アルバム曲順にこだわりが無いバンドには意味不明な話でしょう。でもレテパシーズにとっては最重要事項なので、この大胆な曲順変更は革命的)

デモの曲順
↓
1.the world is mine
2.愛してる
3.さよならの合図
4.SAIL AWAY
5.若いバンド
6.真鶴漁港
7.岩見沢デパート変遷史
8.ホンダ
9.おるたな
10.次回予告なホーリーナイト

革命的新曲順
↓
1.ホンダ
2.さよならの合図
3.the world is mine
4.愛してる
5.若いバンド
6.真鶴漁港
7.岩見沢デパート変遷史
8.SAIL AWAY
9.おるたな
10.次回予告なホーリーナイト

書いてるだけでワクワクする。
よくグルメリポーターが「匂いだけで白飯何杯でもいけますわー。」とか「(まだ口に入れてないのに。箸に食材を持っただけの状態で)もう美味い!」なんて言っていますが、それに近いな。
「タイトルと曲順だけでもう大名盤!」といった感じ。
引き続き、我々の何もかもをお楽しみに。

PS.あ、今日は7月12日だ。
名曲「7月12日、13日」は4thアルバム「ブルースマン」収録です。
2009年だから16年前か。もっと昔な気がするな。
この7月12日、13日の2日間、さっき出てきた「ホンダ」のホンダさんとずっと一緒にいたのでした。

今日は夕方からお留守番の子守。
あの4thアルバムのジャケの熊の人形は、今では息子のオモチャになっています。
「熊のレビューだ!ヤッホ!」と歌って踊ってレビューをやってやると、いつでもキャッキャと喜びます。
あんな壮絶なアルバムのジャケにされた熊ですが、今ではこんなに丸くなって、普通の人形としての人生を全うしています。

7月2日(水) ブルースがまだ

第6回レテパシーロックフェスティバル、目撃してくれた皆さん、目撃したかったけど来れなかった皆さん、たくさんのレテパシーをありがとう。
共演してくれた「NEW NEZUMI PARADISE」も本当にありがとう。
おかげさまで俺も心置きなくニューパラダイスに行ける気がしてます。
ライブ中にボーカルの西宮灰鼠が話していたが、2005年頃に俺達は初めて対バンした。
あの頃の高円寺、無力無善寺やペンギンハウス、俺はとても苦手だった。(その後10年間高円寺に住む事になるが、それはユキコの実家が高円寺だったから)
歌っても話しても手応えのないあの感覚、最近ライブハウスで感じる「意志のある黙殺」とも違う、手応えのないあの感覚。
でも20年経って今、やっと理解出来る。
たくさんの経験をしてきたからな。
俺は今、42年間で一番優しくて厳しくて、まるで野生動物みたいな感じだよ。(しかも、元ペットが脱走したパターンで両方知ってる最強状態)
なんか、トラウマですらあったんだよね、あの頃の高円寺のライブハウスのあの感じ。
でも、今は喜怒哀楽、嘘も本当も丸見え、ねずみ君の人間がちゃんと見えてます。
ブルースはまだまだこれからよ。
お互い素敵なブルースマンを目指しましょう。
俺はがんばるぞ。

ライブ前に「素直全出し作戦」とか言ってごちゃごちゃしちゃったけど、そこに書いた通り今後は、ライブ情報、リリース情報、各メディア情報、なんかはレテパtwitterで告知してもらおうと思ってます。
でも、素直に全出ししたら、予約たくさん増えて嬉しかったよ。
ありがとう。いつも極端でごめんね。

昨日「ハイコーフェス2025」の予約も始まりましたね。
ハイコーフェスについてはまた今度書きます。
一つだけ言えるのは、ハイコーフェス主宰の進藤さんから「今年、6年振りにハイコーフェスやります。これで最後にします。」とオファーの連絡が来た時に「やったー!嬉しいな!ワクワク!」という感情では決して無かったという事。
悲壮感の上で大好きな恋人と最後だと思いながらキスする感じかな。
まあ、そんなフェスティバルです。ハイコーフェスはいつも。
楽しいって感じじゃないんだよな。
でも、今のレテパシーズなら、あの頃とは違う場所まで行けるかも知れません。
きっと行けると信じて、あの頃出来なかったような凄いライブをやりたいです。
皆さんも信じて目撃してね。

2018年で最後だと言っていたが、今年またやるという事は、あの時何かが足りなかったんだ。
絶対に今年で終わらせます。
今のレテパシーズなら、きっと終わらせられるはず。

2025年7月2日
古宮大志

PS.第6回レテパシーロックフェスティバルのセットリストはこんな感じでした。

1.the world is mine
2.愛してる
3.さよならの合図
4.SAIL AWAY
5.若いバンド
6.真鶴漁港
7.岩見沢デパート変遷史
8.ホンダ
9.おるたな
10.青春
11.クレイなジー
12.ハローグッバイファックユー
13.海へ行こうよ
14.空知
15.才能がなかったんだろ 
16.まだもう
17.夏のアルバム

1曲目から9曲目は11thアルバム収録の歌達。
おかげさまでレコーディング真っ最中です。
絶対に今年中にはリリースしたい。
12月かなあ、と考えてます。

レテパフェスの最中にも話した気がするが(いや話してないかも?)札幌に住んでいた2001年〜2004年頃までの間は毎年「ライジングサンロックフェスティバル」を見に行ってました。
俺は踊るのが好きなので、何かのバンドを見ながら独創的なダンスを踊っていたら、それがスカパーで割と長時間生中継されたそうで、後日札幌で知らない女の人から「スカパーで踊ってた人ですよね?」と話しかけられた事もありました。
19才〜22才頃の事、レテパの歌で言うと「空知」「ミツバチ」「SFマンボ」「札幌ナンバーの最後」「東区が恋しくて」「雪包丁」「そしてトンキーは死んだ」「水平線」あたりです。
仲の良かったヌルマユというバンドの永井君の、今でも忘れられないとても危険な運転で、会場の石狩から札幌へ帰る時「あーあ、俺もライジングサンに出てーな。あの大きなステージで空知とか歌いたいな。」なんて思ったのを覚えています。

今は「ホンダ」という歌をライジングサンで歌いたい。
会場のすぐそばの海でホンダさんとドライブした思い出を歌った歌なのです。
あの最終コンビニ、まだあるのかなあ。

「ホンダ」

君の車に乗り
沈みだした夕日を追う
石狩 最終コンビニで
風強い日に
カップ麺にお湯入れて
のびないように急いで
3分以内に海へ
夕日と砂の混じった
カップ麺で大笑い
風が強くて世界は
夕日だけが動かずに
夕日だけが動かずに

PS.そういえば先日の「素直全出し作戦」をレテパtwitterに載せてもらった時に、スタッフのソノダ氏と「うーん、文章だけだと暗いかなあ?写真も付けちゃおうかな!」なんて言って、先日の空知小旅行写真から1枚付けてもらいました。
この写真です。

これ、故郷月形町の皆楽公園のサイクリングコースのスタート地点なんです。
ちなみに月形小学校のマラソン大会のスタート地点もここでした。
しゃがんで遠くを眺めていたら「まだまだ歌いたい事がありそうだな。いや、もしかしたら一生歌うのかもな。このブルースを。あーあ、ブルースがまだあるなあ。」なんて思いました。
今年の2月に死んだ柿生のばあちゃん(小田急線柿生駅に住んでいた母方の祖母)がちょうどマラソン大会の前日に遊びに来た事があったのですが、俺はあまりにも「おだって」しまい、発狂状態でマラソンの練習をなぜか家の中で延々と行っていて「この子は気が狂ってるのかも知れない。」と祖母が本気で思った、という古宮家では有名なエピソードがあります。
この祖母がまだギリギリ元気だった頃に「あ、ばあちゃん。昔高校生の頃、俺がここに泊まってた時にずっと聞いてた友部さんって人と今度ライブするよ。」と言ったら「まあ、落ち着いておやんなさい。」とベッドに横たわり目を瞑ったまま言っていた。
あれがまともな最後の会話だったと思う。
祖母は頭の回転の速い人だったから、俺もついつい本気のスピードで話してしまうので、大人になっても「おだってる」危なっかしい孫に見えていたのだろう。

あれ?なんで柿生のばあちゃんの話してるんだっけ?
まあいいか、読んでくれてありがと!
「レテパシー通信」これからはもう少しちょいちょい書いていこうと思っています。
何もかもよろしく。