10月10日(木) 10thアルバム「夏のアルバム」

僕のレテパシーズ
10thアルバム「夏のアルバム」

1.春雷
2.遠雷
3.T君の夏の歌
4.夏の中で
5.SAPPORO
6.コード泥棒
7.そばにいる
8.まだもう
9.夏のような5月
10.夏のアルバム

「春雷」

初期の衝動って何だろ? 初期衝動
じゃあ中期や後期もあんのか? 初期衝動

イナズマが走ったか? 初期衝動
確かに音は遅いよな 春の雨

遅れて来た雷の意外と遠い低い音
光と音のそのズレにロックとロールは&(安堵)する

だせーよ

初期の衝動がいいよな ズレなしの
光と音が同時のスゴイやつ

近ければ近いほど 初期衝動
光と音はズレない 光と音はズレない

光と音はズレないんだ
初期衝動

「遠雷」

でも遠い雷もキライじゃないぜ
光と音のズレで 僕は生きてきたんだよ

この世界はいつだって 僕が思うより
優しくて頑丈で ついに壊れなかったな

また一つ光ったな
僕は窓を開けてみる
音はまだ届かずに
夏の匂いが先に来る

雲の中で光ったな
雨もついに降り出して
音はまだ来ないのに
夏の匂い(思い出)が先に来る

「T君の夏の歌」

僕らの世界はまたからみあった
いつかのあなたが見た夏の日の
歌を僕はこの頃やっと
十何年ぶりに聞けてる

あなたは今頃 北国の夏
あなたの歌の事など忘れて
あなたより僕の方が、今
あなたの歌の近くにいる

そんな
time goes byでひなびたsummer time
time goes byでさびれたsummer morning
time goes byで古びたsummer night
time goes byで過ごしたsummer feeling

花火を見に行く時は浴衣じゃ
寒くなるからジャンパーを持った
豊平川 あなたの夏と
僕の歌はまだ似てるね

そんで
time goes byでひなびたsummer time
time goes byでさびれたsummer morning
time goes byで古びたsummer night
time goes byで過ごしたsummer feeling

「夏の中で」

体育館の前で止まり 白い光とバッシュの音
向いの公園のおじいさん 僕を見てから眠ったよ

夏の中で

歩道の真ん中でセミが 動けなくなるまで鳴いて
三車線の100の光 透きとおる羽と夜の風と

夏の中で

橋の上から多摩川の 9対1で9の夜に
大きくなった鷺の目線 僕も同じ 輝く未来

夏の中で

セミの声が止まった時 体育館からバッシュの音
向いの公園のおじいさん 鷺と同じ夜の眠りへ

夏の中で

「SAPPORO」

インストゥルメンタル

※東京オリンピックのマラソンの会場が札幌でした。(暑さ対策との事でした)
自分が昔住んでいたあたりをランナーが走っていて、それを見ていたら出来た曲です。
演奏後の街の音は札幌の街の音です。
友人に録音してもらいました。

「コード泥棒」

君がもう歌う事をやめると言ってきたので
さっそく僕は君のコードをパクろう

「きみの星のカオを見送って」もうどーせ誰も知らない
夏生まれだから 夏の歌多い事も

「ずっと続けているなんてすごいね」と
言われた君は得意な顔をして

「やってすらいないんだから終わる時は死ぬ時」
あの友達に会うのはつらいだろう

君がもう歌う事をやめると言ってきた時
大して悲しみなんてなかったが

「やってすらいないんだから終わる事なんてないよ」
あの友達に会う事を思ったら

悲しいね 悲しいね

「そばにいる」

いつの間に ベイビーキッズ
いつの間に ボーイ&ガール
いつの間に ダーリンハニー
いつの間に とーちゃんかーちゃん
いつの間に ゴーストエンジェル
いつの間に シースカイウインド
いつの間にの人生なら

この街のどこかに
この街の明日に
この街の昨日に
この街の古い公園に
僕らが残すものなんて
きっとありきたりのもんさ
落ちてるのを見つけても
誰も拾わない落し物

そんな街の風景になれたら
なれてたらいいな

さよならさ ベイビーキッズ
さよならさ ボーイ&ガール
さよならさ ダーリンハニー
さよならさ とーちゃんかーちゃん
さよならさ ゴーストエンジェル
さよならさ シースカイウインド
さよならだけが人生なら

この街のどこかで
この街の明日で
この街の昨日で
この街の古い公園で
僕らが残すものなんて
きっとありきたりのもんで
朽ちていくのを見かけても
誰も気にしない忘れ物

そんな街の風景になれたら
なれてたら 僕ら

そばにいる

「まだもう」

僕の住んでいた町ではいつも
季節はすぐに終わりかけてて

夏まつり 遠いお囃子の音も
風が運べば 少し冷たく

国道の裏の道
空家の庭 コスモスが

もう吹かれている 夏の光 みじかい夏
もう次の季節 ゆれる花は別れのよう

夕立が降った田んぼの道は
自分の傘が一番高くて

雷が落ちるかもしれないから
ずぶぬれて帰る なぜか楽しく

増水の灌漑溝
いつもと違う暗い道

家に着き 昼なのに
明かりをつけ ミロを飲む

まだ覚えている 暗い昼の蛍光灯
もう次の季節 かぜひくなよ ちゃんとふけよ

まだ もう 過ぎていく
まだ もう

「夏のような5月」

横須賀のかぼちゃ屋へ
スーパーカブニケツで
評判のバンド見に
夏のような5月に

君のナビはテキトー
カブじゃ捕まる道に
入らせて笑ってる
保土ヶ谷のバイパスで

夏のような5月で

ドブ板通りに着いたら
高めのバーガーショップへ
どーせ金なんて無いしさ
一番高いやつを食べようよ

評判のバンドはバンド名と違い素晴らしくは無かったが
きっとブルースが好きでさ
ひよっ子していてえらいと思った

樽に詰められたばかりの香りのしないウイスキーのようで
何十年か続けなよ ブルースになれよ

半島を横切って
STAY1万円の
古ぼけたラブホで
蚊に刺されて目覚める

夏のような5月に

白い壁の部屋なんかさ
ずっとバカにして生きてた
でも家具まで白いこの部屋は
蚊を見つけるのには便利だな

真夜中に裸で4匹も入り込んでた 全て退治して
電気消そうと思ったら
押し間違え有線がついちゃった

チャゲと飛鳥が誰かを殴りに行こうと相談している
僕らも殴りに行こうよ じゃまなウソ達を

翌日も快晴 夏のような5月 世間は連休中日
地元の人しか行かない 食堂も今日は賑わっているね

あなたが救った世界が 目の前にあるよな気がして笑う
何で笑った?と笑われ もう一度笑う

「夏のアルバム」

いつかさ 僕もさ 夏のぬけがらの
ようなさ 夏のアルバムを作りたい

17の頃から何回目の夏
僕にも僕らという歌詞が増えた

川の光の色変わらず
川の名前だけ変わってく

須部都川 幾春別川
豊平 多摩川 善福寺

未来は きっとさ 夏を思い出す
時のさ ひび割れた明るさに似てる

だからさ 僕らに 懐かしい夏が
あればさ ありきたりな言い方だが

うまくいくよ
うまくいくよ きっと

ラララ…

10月10日(木) レテパフェスの映像について

第4回レテパシーロックフェスティバルの映像を公開しました。

レテパシーロックフェスティバルの光景/僕のレテパシーズ

経緯(レテパNEWS「そばにいる」)は前にも書いたので、長くは書きませんが、この日は関口萌の代わりに鈴木亜沙美がドラムを叩きました。
当初、ハジメちゃん(関口萌→セキグチハジメ)のお休みは長いものになる予定だったので、アディー(鈴木亜沙美→アディー)とは、もっと何回もライブをやると思っていましたが、結局この日の1回限りとなりました。
それでも俺やメンバー、そしてアディーにとっても、すごく貴重な経験になったと思います。
ライブ中にも話していますが、この日のライブの為だけに、かなりスタジオに入りました。
今、手帳を見たら1ヶ月半の間に計20時間も入っています。
アディーがレテパシーズをやっていた頃(2012-2017、1st-3rdアルバム)は、アディー以外のメンバーにぶっ飛んでいるパンクな人が多かったので、何となくアディーが「優秀な上手いミュージシャン」の役を担っていたと思います。
が、今回スタジオに入ってみて気付いたが、別に上手いわけじゃ無いんだよね。
彼女のドラムを初めて見たのは2002年頃、札幌東区161倉庫での事でしたが、あの時も上手いなんて思わなかったもんな。
ただ、彼女の純度に衝撃を受けた。
今回アディーは「クレイなジー」が特に苦手で、全然上手く叩けずに苦戦していました。
が、ハジメちゃんが苦手でレパートリーから長く外れていた「ロックンロール」や「SFマンボ」は、さすがにお手のものなので、6、7年振りにセットリストに入りました。
カニ、ヤハタ、南、の3人は、まだお客さんだった頃にアディー時代のレテパシーズを見ています。
なので「アディーさんと演奏出来る!」というトキメキでスタジオではずっと目が輝いていました。

今回アディーとは古い約束を果たせたような気分なんです。
2002年に俺と古宮夏希とカプリでやっていた3人組パンクバンドがあったんだけど、カプリが急遽ライブに出れなくなったので、アディーに打診して叩いてもらった事がある。
ライブの前日、深夜の161倉庫を借りて練習したのだが、その時の演奏が素晴らし過ぎて完全燃焼、次の日のMOON PALACEでのライブはまあまあだった、、
あれから22年。
ずっとこの第4回レテパシーロックフェスティバルみたいなライブをアディーとやりたかった。
もちろん、アディーがレテパシーズだった頃もカッコいいレテパだったとは思うけどね。
俺は今の方が気に入ってます。

まあ、どんなもんか見てみて下さいな。

撮影は進藤三太(さんちゃん)の初撮影でした。
彼は秋田ハイコーフェス時代からの友人で、この春、高校を卒業して東京へやって来た。
カメラマンになるぞー!という事なので、今回撮影してもらったのです。
今はカメラの学校に通って勉強しているみたいですが、高校時代はカメラなんか触った事も無かったらしく、このレテパフェスの時も学校のカメラを借りてドキドキで初撮影してくれました。
カメラマン目線で言うとヘタクソな映像なのでしょうが、一番肝心なレテパシーの大放出はバッチリ映り込んでいたので、全編公開する事にしました。
いつか伝説のカメラマンになって「俺の初撮影は第4回レテパフェスだったんだよ。東高円寺の汚え小さな店でよ。今はレテパフェスもあんなに大きくなっちまったけどな。あの頃が懐かしいぜ。みんなギラギラしててよお。」なんて遠い目をして語ってね。

2024年6月14日
東高円寺ロサンゼルスクラブ
「第4回レテパシーロックフェスティバル」

1.T君の夏の歌
2.そばにいる
3.まだもう
4.夏のアルバム
5.見知らぬ青年との会話
6.空知
7.ハローグッバイファックユー
8.SFマンボ
9.君しかいない
10.17
11.青春
12.クレイなジー
13.数学と国語
14.ホワイトアルバム
15.ロックンロールじゃ踊れない
16.海へ行こうよ
17.思わずブランキー

アンコール
18.ロックンロール
19.札幌ナンバーの最後
20.愛は風景

PS.昨日はロサンゼルスクラブにて4thアルバム「ブルースマン」のリミックス。
馬場友美、カニ、俺、の3人で行いました。
いつも通りアルバムの曲順で作業したのですが、1曲目「ブルースマン」の間奏が始まった瞬間に、あの頃のスタジオの爆音の雰囲気を鮮明に思い出せました。
もうこの瞬間、今回のリミックスの大成功を確信しました。
ただあの頃の雰囲気を再現したかっただけなんだな。
2018年、絶望期のレテパシーズは全然ライブをする余裕も無かったんだけど、代わりにこの1枚を残してくれた。
レテパシーの大放出なんてくそ食らえ!といった最高の気分でしたよ。
昨日の作業中の俺は。

3rdと4thのリミックスが終わり、後は両作リマスターしたらすぐにリリースします。
もう少しだけお待ち下さい。
※最近レテパシーズを好きになった人とかは、何がなんやら分からないでしょう。
また、リリース時に詳しく書きますね。

なんにせよ、3rd、4thの事はずっと心に引っかかっていたので、ついに終わってすっきりした。
「過去作いじりは全て終わったぞー!あとは10th、11th、12thと前進あるのみだ!」と雨上がりの東高円寺、ババカニと明るく笑い合いました。
作り手のマニアックな微調整、とかでは決して無く「あの頃のレテパシーズを再現したかった」だけなのです。
ちゃんと演奏はしてたはずなのに、当時の俺の病的な思い込みでミックスをし、音像を捻り曲げてしまっていた。
やっぱり3rdも4thもちゃんと演奏してたんだね。
全部俺が悪かったんだな。
レテパシーの大放出なんて知らなかった、あの頃のデストロイヤーなレテパシーズ。
カッコいいが、もう戻れないし、戻りたくもないが、こうやって残せたのはサイコーです。
ああ、やっと前だけ見れるんだ。嬉しい。

PS.さんちゃんとの懐かし写真、と今の写真。
身長が逆転してるのが面白い。

最近の俺達↓

まだ健康だった。2014年?2015年?

もう健康ではない。2017年。

これはいつだろう?