片手の無い猫が 僕の手をなめて 顔をずいぶんとすりつけてくるから
なんてかわいいんだと思って しばらくそのままやらせておいたんだ

動物病院で働いていた頃 休憩時間にオリから出して
毎日5分だけ 患者が来るまでその猫と遊んでいた

そしていつも僕の手をなめては 手の無い方のさ 顔だけをさ 僕の手にすりつけてきてた
僕はただもう嬉しくて「ありがとう」とか「愛してる」とか思った事を言っていた

だけど今思えば 手の無い方の顔を洗えないから 僕の手を使って洗っていただけなんじゃないの?

その証拠に今思えばいつも さんざんなめてすりつけたあとには
手のある方の顔をずっと自分で洗っていたもんね

だまされてたんだな でも いい時間だったな

僕が来ないと洗えない 片方のさ 顔だけをさ 僕の手にすりつけてきてた
僕はただ何も知らなくて「ありがとう」とか「愛してる」とか思った事を言っていた

だけど今思えば確実に手の無い方の顔を洗っていただけなんだよ 絶対

その証拠に君の顔は手のある方は白いけど 手の無い方は 
言いづらいけど どうあがいても黄ばんでいたもんね

だまされたけれどさ 愛しているよ 今も
だまされたけれどさ それで生きてこ 僕は

3rdアルバム「永遠に、たまに」収録
(2013年作詞作曲)