「空知」

僕の頭の中にまで届く 風が吹くのはこの町くらいで
そんな時には空の上だって 誰かがいるような気がするのさ

明日の天気はきっと晴れだな 僕の頭もなんだかサラサラ
クラゲのうすい皮を引き裂いて 不安を懐かしくした青空だから

僕の一番好きなのは五月 空知の人ならみんなそうかな
古い線路の上は今だって 何も変わらずにしゃべり続けている

僕はその風のようなおしゃべりを いつも頭の中で鳴らしては
いつも突然泣きたくなるのさ いつも突然死にたくなるのさ

だけどなんだかボーっと見てた なんだかボーっとしてた
なんだかボーっと見上げた だから大好きなんだろ

あー空知が好き!! 空知大好き!!

いつか悲しいうわさを聞いたり 不安な気持ちのままで死んでも
僕の心はいつでもこうだよ 何も心配しなくてもいいよ

空にはいつも誰かいるようで ここにはいつも誰もいないみたい
だから突然悲しくなるのさ だから突然うれしくなるのさ

そしてなんだかボーっと見てた なんだかボーっとしてた
なんだかボーっと見上げた だから大好きなんだろ

あー空知が好き!! 空知大好き!!

「たこ公園」

夕方になれば 君を思い出し
夜もおそくなれば 君の夢を見た
夏のはじめの 空を見上げて
広い窓ガラスの向うから 君の電話を待ってた

足の上に乗った 君のまぼろしと
何を話したか 忘れちゃったけど
早く消えろ、早く消えろって
くり返しつぶやいてたことは 一生忘れないだろう

さようなら 幸運が 
降りてくるという八月なら もうすぐそこまで来てたのに

コンビニで買った 安い花火持って
たこのすべり台の下でキスをした
一つの人生を降りてしまったら
僕はもっと素敵になれる 本気でそう思ってた

さようなら 偶然が
風の中 僕を置き去りにして 少し優しくもなれたけど

さようなら 幸運が
降りてくるという八月なら もうすぐそこまで来てたのにね

「いつも心だけはあの日陰で涼ませたまま」

病院のニオイ セーターのニオイ 急ブレーキでゴムが焼けるニオイ
思い出したのは岩見沢の事 僕の住んでた岩見沢の事

いなくなったのは僕の方じゃなく 岩見沢市の方がいなくなったのさ
僕は今でも12号線国道の放置自転車のつくる日陰で涼んでます

通る車 7割は札幌ナンバー 2割は旭川で 残りは見知らぬ土地

行ってみたのさ いつだって どこだって
いつも心だけはこの日陰で涼ませたまま

りょ~ゆ~の裏道 りょ~ゆ~は岩見沢のスーパー そこを歩いてくと放置自転車があって
サドルの錆がとってもいい感じ 僕の体も同じ部分が錆ていく

僕に触れた君は赤錆に気付くか 僕は覚えてる 全ての風景を

なんだってやれるさ いつだって どこだって
いつも心だけはあの日陰で涼ませたまま

今日はどこで何をしよう 何を言おうか 赤錆に吹く風を日陰で感じて

どうにでもなれるさ いつだって どこだって
いつも心だけはあの日陰で涼ませたまま

「夕立が降ってる」

夏も もう終りだと 観覧車が手を振る
今日も もう終りだと 夕焼けに手を振り

僕ら突然の雨に 僕ら少し困ったけど
僕らすぐにあきらめて 僕らびしょぬれで笑った

夕立が降ってる なのになんて明るいんだろう
夕立が降ってる 多分明日も晴れるんだろう
夕立が降ってる 多分何も変わらないだろう
夕立が降ってる コンビニで傘でも買おう

学校も終りだと カーテンが手を振る
今日も もう終りだと 日の丸に手を振り

僕らたくさんのウソに 僕ら少しつかれたけど
僕らすぐにあきらめて 僕らびしょぬれで笑った

友達が待ってる 忘れたい事はへらないまま
友達が待ってる 忘れられない事ができたよ
友達が待ってる はずかしいまま赤い顔して
友達が待ってる 帰り道 いつも歌ってるよ

本当はこんな歌 ずっと歌いたかった
本当はこんな事 ずっと思ってたのさ

僕は突然の雨に 僕は少してれただけさ
僕はすぐにあきらめて 僕はびしょぬれで笑おう

夕立が降ってる なのになんて明るいんだろう
夕立が降ってる 多分明日も晴れるんだろう
夕立が降ってる 多分何も変わらないだろう
夕立が降ってる コンビニで傘でも買おうよ

「月形」

君と見てた僕の町はもう僕のいない町
だけど来て良かったね

さびた屋根がはがれていくよ
夏の風とぽろぽろとそのたびに泣くんだ

人のいなくなった小学校は今も
大きくてまっさらの午前中の黒板

この川が海と続いてるなんて
知らなかった 小さな僕が流した真夏日

君と見てた僕の町はもう僕のいない町
だけどまた来ようね

「夏のしっぽ」

タマネギ畑の風に君の髪が揺れる
自転車で田舎道 君を送って行くよ
立ち乗りの自転車は君のおしりも揺れて
僕の心も揺れる スカートの擦れたあと

トラクターのおじさんの首にまいたタオル
グルグルでおもしろい 白い雲のカタチ
赤さびの屋根の下 お母さんと一休み
タマネギを入れる箱 宝物の光りかた

夏の空で抱きしめて まだおつりがくるくらい
小さな体で走る 大きな君の心
壊れてしまいそうな 君の笑顔を見てる
僕の下の水たまり 空と同じ深さ

コカコーラの空缶と透明なガラスビン
ロマンチックなゴミが僕らを透かして見せる
思い出すのはきっとそんな小さな言葉
サイダーの王冠や捨てられたエロイ本

君の家が近づいて 夕焼けが沈む頃
冷たい風が吹いて 君が星に気が付いた
夏のしっぽが見える 君と夏のおしり
とても良く似てる 間違えてしまいそう

「廃墟」

人が消えて 猫も消えた
廃墟の街に もうすぐなる

錆びた電柱ならそのままに
50年でも 1000年でも

カメラマンが廃墟の街の
写真集を撮りに来ても

肝だめしの大学生
新車に乗ってやって来ても

そのままでほっておいてね
トーテムポールは無いけれど

トリケラトプスはいないけど
おじいさんの自転車があるよ

風呂屋のタイル割れたままで
石との区別つかなくなる

博物館は嫌いだな
魔法のとけた きれいな服

いつまでも変わらないでね
気付かれない程 朽ちていけ

美容外科医と同じだな
発掘現場の学者達

そのままでほっておいてね
神話も壁画も無いけれど

公衆電話の落書きと
おじいさんのジャンパーがあるよ

「深海」

ここは昔 深海だったから 
アンモナイトの化石がとれるんだ

三笠市立博物館の窓から 
潜水艦みたいな ぶ厚い窓から見てる

無音の雪はあの頃の海だね
無音の雪はあの頃の様だね

深海 僕にはなぜだか懐かしい
なんでだろう さようなら 全部

「17」

セブンティーン その日 外は大雪で 僕はカーテンの向こう 外ばかり見てた
セブンティーン 別に晴れても雪でも 外ばかり見てたから 変わりはないけれど

その日は朝から雪の色しか見なかったので
あなたの絵の色が痛いよ
世界中の人からさ 死ねと言われた気がした
誰も殺してはくれないのに セブンティーン

セブンティーン 満員の教室と今、同じ感覚で外だけを見てる
セブンティーン 僕は慣れてしまったよ 満員の電車から外だけを見てる

授業の途中でさ 教室から逃げたよ
図書室へあなたの絵を見に行く
はじめての時は少しとまどったけれど
今は慣れてしまえたんだな セブンティーン

セブンティーン その日 外は大雪で 僕はカーテンの向こう 外ばかり見てた
満員の教室から図書室へ 渡り廊下を渡る時も 雪だけを見てた

その日は朝から雪の色しか見なかったので
あなたの絵の色がつらいよ
世界中の人からさ 死ねと言われた気がした
だけど誰も殺してくれないな セブンティーン

僕を殺すのは僕だけさ セブンティーン

僕を殺せるのは僕だけさ セブンティーン

「実家のハイロウズのリストバンド」

刺さっている 胸でも心でもないとこ
魂でもない 僕の初雪の白さに刺さってる

分かっている ハイロウズのリストバンド
矢印は少しの熱で雪を解かした 泣くように

三日月は満月の仮の姿じゃない
見送って歯の裏で溶けた言葉達は照らされて

話している ハイロウズのリストバンド
矢印は月夜の夏で僕に伝えた 泣いていた

刺さっている

分かっている

話している

ハイロウズのリストバンド

「雪解け」

3月の通学路はみずうみで
歩きやすい道を選んでく

サキソフォンをのどに刺してたから
息をしたら音になっただけさ

残雪は黒く汚れてたが
解けた水は春は美しいな

革命は白いミズバショウ
ふるえてる 僕の目の中で

サキソフォンをのどに刺してたから
息をしたら歌になっただけで

僕の心 黒く汚れてたが
解けた水は春は美しいな

「冬の寒い道を歩き丘の上の学校に行く時
僕の息が白く白く舞い上がるのが嫌だったので
僕はアルトサックスを買ってそれをのどの奥に刺した
それから僕の吐く息は全ておかしな音に変わった」

「雪包丁」

街の方からは風だけ そして僕は思い出す
同んなじようなこの道 そうだどこまでも続く

街灯のオレンジが 
僕の顔や胸その他もろもろに刺さる

いつまで降るのこの雪 僕はやまないでほしい
楽しいはずさどの道 だって冬は素敵だから

ボロボロの包丁で
この街のビルやその他もろもろを刺そう

僕のこの手袋の
フワフワで溶けた雪がずっと乾かないよ

僕のオンボロのクツにさ さっきから雪がしみる
それが僕にはうれしい だってなんかキレイだから

左手の方だけが なぜか少しあたたかいんだ
そんなものですら 君にゃまぼろしに見える

そして僕はまた一人 待ちぼうけも終わらずに
待ってる事も忘れて いつもとことこと歩く

街灯のオレンジさん
僕の顔や胸その他もろもろを刺せよ

ボロボロの包丁で
この街のビルやその他もろもろを刺せよ

いつの日にかこの道も終わる時が来るのかな
そんな時には夕日か朝焼けを用意してよ

左手の方だけが なぜか少しあたたかいんだ
そんなものですら 君にゃまぼろしに見える

「札幌ナンバーの最後」

死にたくなる時は左手を胸に置き 
出来るだけ遠くの空を見つめていよう

海まで9Kmの青い看板の下で
優しくなりたいね お前の言葉を聞いた

もしも今、キヨシローに愛し合ってるかと聞かれても
僕にはただヘラヘラと笑うしか出来ないだろう

あいつが死んだ時 キャメルのラクダが泣いた
その歌が遠くの戦場で雨になった

生まれ変わる時はテレビなんかないとこで
戦争が起きても気付かずに笑っていよう

もしも今、キヨシローに夢を持ってるかと聞かれても
僕にはただヘラヘラと笑うしか出来ないだろう

夜の街 雪が降り 札幌ナンバー ペシャンコ
あーキレイだなあ

もしも今、キヨシローに愛し合ってるかと聞かれても
僕にはただヘラヘラと笑うしか出来ないだろう

夜の街 雪が降り 札幌ナンバー ペシャンコ
あーキレイだなあ

「MOON PALACE」

あのスーパーは大手だから 潰れる事はないんだろう
でもムーンパレスがなくなって 永遠に買い物に行く事もないんだな
さようなら スーパーとムーンパレス

向いの北光病院の駐車場が駐車場で
思い返すのはやっぱ冬だな 白い息と排気ガスと街の流れ
さようなら 駐車場とムーンパレス

夜が少しでも長引くように 塞いだ窓 でも夜が明けて
朝日の中は恥ずかしいね お別れに振った手はすぐにポケットへ
さようなら 長い夜とムーンパレス

毎晩行ったり 久しぶりも その夜だけ動く時計
止めたり進めたり戻したり 僕の時間は自由自在

でもムーンパレスがなくなった 時計はただ進んでいく
どこにいても いつも 今だって 時計はただカチカチと進んでいく
さようなら 若い僕とムーンパレス

「161倉庫」

げた箱 コロナの感染者 161の時は
いつでも思い出してしまう 161倉庫

北16条東1 西沢水産ビルの地下
生まれてはじめて僕のこと分かってくれた場所

店主はおまんKCさん ブルースマンにラスタマン
フォークシンガーにパンクス 本当のパンクス

歌ってる人にイスを投げたら
だめだと教えてくれた場所
でもイスを投げられるライブをするのは
もっとだめだということも教えてくれた

店主はおまんKCさん ブルースマンにラスタマン
フォークシンガーにパンクス 本当のパンクス

教えてくれたんだ

「地下室の外は」

優しくおこられたら泣きそうになった 
そんな人は本当に久しぶりだったから
地下室の外はもう明けていて 
昨日のまんまの俺が また少し変われそう

おこられている時は自分を守ろうと思う 
その人がどれだけ俺を傷つけるかわからないから
でも今は大丈夫 きっと大丈夫 
こいつに泣かされて こいつに笑わされよう

地下室の外はまだ雨だった 
地下室の外はまだ雨だった
地下室の外は何も変わらないまま 
地下室の外は何も変わらないまま

昨日の太陽にサヨナラもせずに 
また朝になった 朝も年をとった
君のそのオンボロの壊れた車の窓に 
たくさんの雨が降れば いいのになあと思うよ

地下室の外はまだ雨だった
地下室の外はまだ雨だった
地下室の外は何も変わらないまま 
地下室の外は何も変わらないまま

「東区が恋しくて」

東区が恋しくて 君はまた自転車をこいでいく
夏の日を取り戻しに 君はまた自転車をこいでいく

君の好きな夏の川に浮かぶ小さなトンボの死がいよ
どうかいつまでも「死んでいてね」と君は大きな海を思っています

子供のニオイの染みついた君の服が
つかれた顔をして今日もこの部屋に戻る
君の歌の中に誰もいないようなら
君も川に浮んで海を待てばいい

東区が恋しくて 君はまたつらそうな顔をする
夏の日が終っちゃうから 始まらないようにふとんから出てこない

君のキライなサイテーな奴らが 笑う学校のプールのニオイを
君はふとんの中でかいでる そして今日見た夢を僕に話す

君の話す夢の中に僕はいないから
安心して僕は君の肩に手を伸ばす
伸ばした僕のうではまだ白いまんまで
夏が始まってるなんて気付いてないみたい

子供のニオイの染みついた君の服が
つかれた顔をして今日もこの部屋に戻る
君の歌の中に誰もいないようなら
君も川に浮んで海を待てばいい

東区が恋しくて 君はまだ自転車をこいでいます

「愛は風景」

たとえば 雨の信号
たとえば 雨の少年
たとえば 笑う少年と僕ら
たとえば 思い出の海

愛は思うものじゃなくて
愛は感じるものじゃなくて
愛はただの風景だから
僕はただ眺めてる

たとえば あの頃の事が
たとえば 冗談みたいに
たとえば 思えるような静かな夜の
街を君が訪れても

愛は触れるものじゃなくて
愛は過ぎていくものじゃなくて
愛はただの風景だから
君もただ眺めてね

愛は消えるものじゃなくて
愛は消えないものじゃなくて
愛はただの風景だから
僕も君も眺めてる

「7月12日、13日」

色とりどりの光の下に集まる時は歌う時
蛍光灯の下に僕らが集まる時はどんな時?

君の家のそばの会館で今日は君のお葬式
はじめて来たよ 君のギターが君がいないのにあるとこへ

レスポールジュニア ジャズコーラス
ジョニサン ラモーンズ RCサクセション

君の部屋から運ばれたもの

新琴似っぽい住宅が 夕焼けの中 続いている
黒い影よりも黒い服とそれよりもっと黒い夜と

みんなの吸いすぎたタバコの煙が空に昇っていく
煙は雲になり次の日の朝早くからの雨になる

トムとジェリー ドラフトワン
君のお父さんとお母さん

君と一緒に暮らしてた人

知ってる人や知らない人が色んな事を話している
怒る人 泣く人 笑う人 みんな君を意識しながら

未来の事も過去の事も同んなじように話しましょ
雨の中 君を忘れたら 君は僕になるのだろう

猫背 泥酔 ロックンロール
悪い評判 僕に優しい

僕も君に優しかったもんね

君は僕に優しかったもんな

「北」

通りに座って ちょっと酔っぱらって 見ていたものは車の流れ
一台一台の車の色を 僕はていねいに 目に溶かし込んだ

ちょうど二千台を溶かし込んだ時 出来上がったのは緑がかった青
僕には それが なぜか 青信号に見えたんだ 行くよ

どこへ ここじゃないとこへ ここじゃない所もすぐにここになる
だから僕はいつもここにいるよ そうだな 北の中の北

北北西でもなく北北東でもなく 僕の大好きな北の中の北
僕の言葉は雪だな 溶けてぬれるのが 君の顔ならいいな

このまま僕はここにいるよ 君がさっきいたように 冬もさっきまでいたよ
このまま僕は北にいるよ 君が僕を好きなように 僕も僕が好きだよ

うちわをあおいで 空気を動かす 思い出したのは22回分の夏
新しい街では季節は 浮浪者のようにじっとうずくまる

東京にいる 札幌にいた アラスカに行きたい 沖縄はどこ
月形で見上げ 岩見沢で見た 君に会ったのは真夜中の海

新しい風は 僕の体と 街を半分に 平等に吹く
それを知らないお前なんかと話したもんだからすぐに死にたいよ

朝の天気予報では知らない南の町だけが雨
僕がその時思った事を 君がのぞきこんでくれたらいいな

このまま僕はここにいるよ 君がいなくなったように 冬もいなくなったよ
このまま僕は北にいるよ 君が僕を嫌いなように 僕も僕が嫌いだよ

北を見すえる目玉が 行き過ぎて地球をぐるっと一回り
たまには星が上にあるのも 気に食わない時がある

いつか いつでもいいから なんだったら今でもいいよ
北を冬の終わる瞬間を僕の歌に出来たらいいな

ラララ…

「東京の空で」

久しぶりの雨のおかげで 東京の空も
僕が見続けた空みたいに 遠くまで見える

君の住む夜の校庭も ハッキリと見えた
すぐに君は横にやって来て 僕の手をつなぐ

いつだって その手を離すのは僕の方からで
そのたびに ちゃんと君は悲しくなってた

今 僕が毎日少しずつ悲しくなるのは
あんな時に君みたいに ちゃんと過ごさなかったからさ

雨上がりの透明な街 東京の空は
僕の知ってる空みたいに 何もかも見える

君の住む夏の市営バスも 思い出すというより見えた
すぐに君は僕のとなりの席で 夏の町を見てる

いつだって その目をそらすのは僕の方からで
そのたびに ちゃんと君は涙を流してた

今 僕が毎日少しずつ泣きたくなるのは
あんな時に君みたいに ちゃんと過ごさなかったからさ

いつだって 話をやめるのは僕の方からで
そのたびに ちゃんと君は苦しくなってた

今 僕が毎日少しずつ苦しくなるのは
あんな時に君みたいに ちゃんと過ごさなかったからさ

今 僕が毎日少しずつ悲しくなるのは
あんな時に君みたいに ちゃんと過ごさなかったからさ

「炭住の赤い屋根に」

炭住の赤い屋根に 友達が住んでた
炭住の赤い屋根に 夏がやって来た

炭住の赤い屋根に 手の平をのせれば
炭住の赤い屋根に きっと焼けるだろう

友達が住んでる ずっとそんな事
忘れていたけれど 夢で思い出した

炭住の赤い屋根に 炭鉱なんてとっくに
炭住の赤い屋根に 終わっていたのにね

友達と家族は そこで暮らしてた
夢で思い出した 一生忘れないよ

どんなに積もっても 大雪の年でも
雪解けの春には 赤い屋根が見えた

炭住の赤い屋根に 僕の思い出は
炭住の赤い屋根に 今も燃えつきず

炭住の赤い屋根に