2月3日(月) 僕のレテパシーズのSNS終了宣言

僕のレテパシーズは無名の自主制作インディーバンド。
だから自分達で宣伝しなくちゃいけない。
そう思い、苦手なSNSもみんなと協力して運営してきました。
でも、いつか近い未来、そんな宣伝なんかしなくても済むようになればいいな。
作品とライブ、ただそれだけのバンドになれたらいいな。
そんな風に思っていました。

それはきっと僕だけではないでしょう。
メンバーだってそうだろうし、レテパシーズを好きな人達の多くはそう思っていたと思います。
作品とライブ、それがバンドの全てですから。

昨年、長年の夢だった全曲夏の歌の10thアルバム「夏のアルバム」を発表する事が出来ました。
そして、長年の後悔だった過去の作品達(アルコール依存症の影響下にあった時期のアルバム達)をリミックス、リマスターして録音当時の世界を甦らせる事に成功しました。
明るくポップにした、とか、聞きやすい耳触りの良い音にした、とかそういう事ではありません。
あの頃の殺伐や絶望、それでも死なずに遠い空を眺めていたあの感覚、そういう大切な部分まで衰弱した自分の病的な作業で消してしまっていた。
それを本来の姿に戻したに過ぎません。

これで全10thアルバム、100曲の歌達、全部を好きになれました。
生まれて42年が経ちましたが、こんなに落ち着いた気持ちは42年間で初めてでした。
自分の後ろにやり残した事が無い感覚。(前にはまだまだあるけれど。11th、12th、、)

年が明け、2025年。
1人のレテパシーズ好きの人と話す機会がありました。
彼はひどく酔っ払っていましたが、彼の真剣さは伝わりました。
彼が酔い潰れて、部屋に(ヤハタトシキの部屋でした)大量の酒と氷をぶちまけながら派手に倒れるまで、喧嘩を売るような大声で言い続けていた事。
それは「ひろしさんはやりたくない事は一切やらなくて良いと思います!もう歌とライブだけで充分でしょう!俺はレテパシーズの歌とライブに救われたんです!レテパのSNSに救われたわけじゃありません!そんなもの見たくありません!」

その場では僕も反論しました。
なぜやりたくない宣伝活動をしなくてはいけないのか、大きく分けると3つの理由がありました。
金の事、大昔からずっと燃え続けていて今は自分の手元で燃えている気がするあの火を消したくない事、もう黙殺が理由で衰弱していく才能あるバンドマン達を見たくない事。

なるべく分かりやすく説明したつもりでしたが、泥酔した彼には全く伝わらず、上記の文言を何度も何度も繰り返して、最後は大量の酒と氷と共に倒れてしまいました。

家に帰り彼の言葉を思い出していました。
次の日も、その次の日も、思い出しました。
「うん、確かに。もうやめちゃダメかな。10枚のアルバムはいつでも聞ける状態になってるんだし。あの10枚とライブがレテパの全てだもん。下手な宣伝活動はあの100曲の邪魔になるよな。次のスタジオでみんなに相談してみよう。」

次のスタジオはヤックンは法事で欠席でした。
そして当日になりハジメちゃんから「関口家が風邪で全滅、、欠席したい、、」と連絡がありました。
いつもならば2人も欠席だとスタジオは無しにするのですが、その日はみんなの意見を聞きたかったので、カニと南と話し合う事にしました。

提案には2人とも大賛成。
目がキラキラしていました。
「ああ、この人達は生粋のアウトローミュージシャンだなあ。」と思いました。
まだ少し迷っていた僕の方が説得されるような形で頼もしかった。

次の日、レテパシーズのスタッフのソノダさんにも相談しました。
彼も目をキラキラさせて大賛成。
「僕がお客さんだったら、その方が絶対にしっくりきますね。」
そんな事を言って嬉しそうにしてました。

ヤックンとハジメちゃんにも電話して相談しました。
みんな賛成で満場一致でした。

というわけで、僕のレテパシーズは10枚のアルバム、そして自分達のライブを信じてSNSをやめる事にします。
レテパシーズのホームページはこれまで通りに続けます。
きっと灯台みたいな感じになるのかな。
ジタバタ動かずに、ただ光って待ってる事にします。
雨の日も風の日も。最初の日も最後の日も。
いつでもどーぞ。待ってるよ。

決して何かを諦めた訳ではありません。
こっちの道の方が気性に合っていてワクワクするから決めたのです。
そしてレテパシーズを好きな人達は同じような気性だと信じたのです。

やはり10枚全てを大好きになれたのが大きかったみたい。
この10枚が24時間全世界でいつでも聞ける状態にあるんだもん。
大丈夫な気がします。
蛇足や言い訳はもういらないよ。

「僕を殺せるのは僕だけさ」
「愛してるよ」
「永遠に、たまに」
「ブルースマン」
「レテパシー」
「アコースティック」
「クレイなジー」
「エンデンジャードスピーシーズ」
「RADIO LETEPA」
「夏のアルバム」

これが我々の全てです。
信じて聞いてみてね。

レテパシーがたくさんの人に届きますように。

2025年2月3日
僕のレテパシーズ代表
古宮大志