11月6日(木) 最後のハイコーフェス映像公開

前回のレテパシー通信から1ヶ月以上空いてしまいました。
前回予告した「15周年ワンマンに向けて、15年間を振り返ってみよう」を書くために、昔のメンバーに過去の写真をもらったりして、準備していたのですが、レテパとⅡララの色々に追われていたら、だんだんノイローゼ気味になってきて(鬱とは違う。ノイローゼ!と言いたい)「もしかしてレテパもⅡララも大したバンドでは無いのでは?」という巨大な隕石のような絶対的なエネルギーのイメージが衝突し続けてしまい、ここ2週間くらい全てを疑い続けていました。
こうなると、もう手が付けられなくて、レテパの過去作&未来作全てを疑ってしまい、しかも11thアルバムのマスタリング作業中だったので、11thまで最悪の作品に聞こえてきて、そんな中、配信会社からは「おめでとうございます!僕のレテパシーズの、まだもう、が1000回再生されました!リスナーと喜びを共有しましょう!」なんて煽りのメールが届く始末。
「まだもう、シングルでも出して、1年も経ったのに。ある意味レテパシーズの頂点の歌だろうに。これが1000回しか聞かれてないなんて、ミックスがおかしかったのかな。確かに低音強過ぎるような気がしてきた。もう事故のような低音になってしまっているのでは?」なんて思い込んでしまい、何もかもぶち壊したくなりました。

昔は酒飲めたので、ノイローゼになったとしても、ルーレットのように、酒飲んで倒れて、酒飲んで倒れて、を繰り返していれば、5回に1回はなぜか無敵状態で目覚めるので、それをルーレットみたいに無心で繰り返せば良かった。
でも、今はシラフで立ち向かうしかないので、2週間かかりましたが、昨日ついに立ち向かってみました。

昨日は東高円寺のロサンゼルスクラブでⅡララのスタジオでした。
スタジオというよりは、ライブのゲネプロ(だっけ?音楽言葉詳しく無いので違うかも?)という感じで、ライブ初心者のドラムの鈴木ほの(高校生のギャル。ドラム歴5ヶ月)はライブのリハーサルとかも全く初めてなので、一度ライブの感じを体験させてあげたいな、と思い、レテパのギター兼ロサクラ店長のカニ先生にお願いして、PA立会の元、メインステージで無観客ライブをさせてもらったのです。

PAはイッテツ君。
彼は車もバイクもギターも何でも直せるという強者なので、以前レテパシー通信で書いた「西調布での夏の一日」の西調布レイメイでの録音の際、録音エンジニアの馬場ちゃんの車の窓が壊れて閉まらなくなってカニと共に夏を感じながらロサクラに機材を返しに行った時も、ロサクラにいたイッテツがドアを外して直してあげたらしい。(そのお礼に後日馬場ちゃんはイッテツに音響レッスンをしてあげたらしい)
そんな素敵なイッテツ君と共に、Ⅱララの音を作ってみました。
そして完全に自信を取り戻しました。
イッテツからも、途中で少し顔を出してくれたカニ先生からも、最強で完璧なお墨付きをもらえたので、もう大安心。
コンタクトを忘れたのでメガネで演奏してしまい、案の定メガネは宙を舞い踏んづけてしまいへしゃげてしまったので、イッテツに「あのー、このメガネは直せますでしょうか?」と聞いてみたら「いや、、これはメガネ屋さんでお願いします、、」と言われてしまい、面白かった。

あとは、レテパの自信の方だ。
新作11thアルバムのマスタリング作業は、カニがいつものエンジニア中村氏と共に行なった。
先週作業が終わり、俺も家で聞いてみたのだが、なんせノイローゼ状態。
11thならばノイローゼを吹き飛ばしてくれるはずだ、と微かな希望に縋ってみたのだが、過去未来全てを壊滅させる程の巨大な隕石だったので、ダメだった。
「まだもう」の低音ノイローゼが11th収録曲「さよならの合図」にも飛び火してしまい、もう何もかもダメになった。
過去にもこんなノイローゼは経験しているので、そしてそんな時の判断は大抵正しくない、という事も学習しているのだが、ノイローゼ中はノイローゼなのでなんせノイローゼなのです。
でも「低音ノイローゼは幻の可能性があるな。だからカニにこの感想を伝えるのはまだやめておこう。ノイローゼを超えた確信を得てから伝えないと、彼まで巻き込んでしまう。もし大名盤だった場合、俺のノイローゼ如きでカニの自信にケチを付けたく無いもんな」と思えたので、カニには伝えずに、昨日まで来たのでした。

Ⅱララの練習が終わった後、イッテツにこう伝えました。
「俺、今ノイローゼなんだよね。で、レテパの全てを疑ってしまっていて、新作の11thのマスタリングも疑っている。特に2曲目の、さよならの合図、の低音が台無し事故レベルに聞こえてしまっている。カニに相談すると、万が一俺のノイローゼ原因なだけの場合、彼の感性に泥を塗る事になる。それは避けたい。ノイローゼかどうか知りたいので、まだもう、さよならの合図、を今、聞いてみてくれないか?カニには全て内緒で。」
Ⅱララのムタもホノもカニ店長も帰った後だったので、俺とⅡララのリサとイッテツの3人でその2曲を爆音で聞きました。
イッテツは丁寧な男なので、爆音で聞いた後、無言でPAブースに戻り、ヘッドホンでも確認してました。
そして「何も問題ありません。素晴らしいです。」と言ってくれました。
情けない話だが、俺のノイローゼとはこんな感じなのです。
その一言で全てが吹き飛び、自信満々、というか等身大の自信が帰ってきました。(俺の等身大の自信、は周りから見ると、自信満々、自信過剰、に見えるらしいが。自分としては慎ましい自信だと思っている)

カニに内緒と言いながら書いてしまったが、結果オーライめでたい話なので良いでしょう。
毎作そうだが、完成間近になると大なり小なりノイローゼになるな。
そして、自主企画前になるとやはりノイローゼです。(こちらはライブに自信が無くなるわけではなく、集客の問題。まあそこから飛び火してバンドへの自信も揺らいだりする場合もあるのだが)

12/15ワンマン&前座Ⅱララ初ライブ、よかったら目撃してやって下さいね。
さっき、予約の方への返信にも同じような事を書いたが「晩年、レテパ解散後に全てを振り返った時に、今の時期が一番危うかったな、と思うと思います。バンドの状態は良いのに、それに集客が追いついていない。崩壊するとしたらきっとあの頃だったなあ。2024年、2025年。よく乗り切ったなあ。あの頃の無名のレテパを発見してライブに来てくれてたお客さんに感謝じゃよ。ホッホッホ。」といった感じです。

ついに本題。
9月15日に行われた秋田ハイコーフェスの映像が公開されました。
撮影してくれたハイコースタッフの近江さんは強めの秋田訛りで「いやあ、レデパはどうしても肉眼で見だぐってえ、カメラブレブレだげども、ライブがスンバラシイので大丈夫だど思います。カメラも途中で壊れてしまい、途中で何回か暗転してしまってるけれども、スンバラシさは伝わるとスンジテ(信じて)います。」
録音も失敗してしまったらしいのだが、奇跡的にヤハタトシキがちょっと良いレコーダーで録音してて、それが体育館の後ろの方にひっそりと置いてあったおかげで、秋の廃校の体育館に響く音がそれはそれは素晴らしく録れています。

映像はこちらです。
ハイコーフェスの最後/僕のレテパシーズ

ハイコーフェスに行く前に書いた文章がこちらです。
親愛なるハイコーフェスへ

帰って来てから書いたのがこちら。
ハイコー思い出写真館

併せて読んでみると面白いと思います。

ついに最後のハイコーフェスが終わりました。
あの人達の事だからまたやるのかも知れません。
でもレテパシーズはもうやり切ったので卒業します。
帰って来てからの文章にも書いたけど、一つの条件を満たした時のみ、再会できるかも知れませんが。

とにかく12/15の15周年ワンマン、今はそれが全て。
ハイコー映像見て感動した人はぜひ来てね。

2025年11月6日
古宮大志

PS.先日告知が始まりましたが、来年の1/31にロサンゼルスクラブでⅡララ初企画です。
レテパシーズも出ますし、あんな人もこんなバンドも出てくれます。
タイトルの「世界は淡くてどこか水のよう」というのはⅡララの歌の「阿久和川」の歌詞です。
12/15の前座ライブでも演奏する歌なので、お!これか!と思ってニヤリとしてやって下さいね。
あと、1/31にロサクラに来てくれる人はPAブースの兄ちゃんを見て「あいつがイッテツか。古宮大志を救った男。」と、これまたニヤリとお願いします。


12/15予約特設ページはこちら


1/31予約はチゲットにて。
https://tiget.net/events/441003